製造業の経理業務に重要な「利益率」や「付加価値」とは?

製造業の経理業務に重要な「利益率」や「付加価値」とは?

こんにちは。「KIMERA」コンサルティングチームの花田です。

会社は、日々の取引活動により自社の商品やサービスを販売し、利益を稼ぐことによって成り立っています。より多く売るためには、他のライバルよりも優れた付加価値を提供していくことが重要です。

一方で経理業務、すなわち管理部門の仕事それ自体は、取引の中で利益を稼いだり、会社の商品に付加価値は与えません。

しかし、この「経理」という仕事は、実は会社の利益や付加価値に影響を与える、非常に重要な役割を担っています。

経理の仕事とは?

経理部門の仕事を一言で表すと「会社のお金を管理」することです。

企業活動の中の様々な場面でお金が発生します。例えば、営業活動から生じる売上·仕入取引や、有価証券·固定資産の購入·売却、対銀行間での借入·返済、税金や給与の支払など、企業活動において発生した全てのお金が、経理業務において管理されます。

これらお金の動きを記録したものを会計帳簿と言いますが、この会計帳簿をもとに、1年間の企業活動の成果を数値化した「決算書」が作成されます。

経理部門が作成するこの決算書は、社長などの経営陣にとって、経営における戦略的意思決定を行うための非常に重要な情報であり、今後の企業活動の方向性等を決める上で欠かせません。この決算書は、会社はきちんと儲けているのか、現在赤字となっている事業は何か、無駄なコストが発生していないか、注力すべき事業は何か、などを分析する上での不可欠な情報と言えます。 

経理業務は地味で細かい作業が多いという側面は確かにありますが、適切な経営管理につなげるための、非常に重要な仕事と言えます。 

利益率:会社の儲けを表す指標

「会社がきちんと儲けているのか」という点に関連して、会社の儲けを数値化したものを「利益」といいます。

決算書のうち、「損益計算書」という、会社の1年間の経営成績を数値化した財務書類があります。損益計算書で開示される情報は、大きく「売上高」、「費用」、「利益」の3つ項目があります。

また「会社がどれだけ儲かっているか」の判断基準として、「利益率」という指標があります。

利益率は、売上高に対する利益の割合を意味し、「利益÷売上高」で算出されます。利益率が高ければ高い会社ほど、収益性が高い、すなわち「十分儲かっている会社」であると判断することができます。

営業活動により多くの利益(儲け)を生み出し、利益率を高めることで、株主からは「収益性の高い魅力的な企業」と評価されます。株主からより多くの出資を受けることで、事業活動に必要な資金調達を円滑に行うことができます。また、新たに調達した資金を元手に、M&Aなど、さらなる事業規模の拡大に向けた投資活動を行うことで、会社のさらなる成長に繋げていくことができます。

経理業務の性質上、営業とは異なり、売上の発生に直接寄与することは想定されません。一方で経理業務を遂行する上では、人件費などの諸費用が発生するため、結果的に会社の利益率に影響することになります。

付加価値:業務の生産性を表す指標

収益性を高め、継続的に会社として成長行くための重要な要素としては、顧客や従業員など、すべての利害関係者に対して、高い価値を提供し続けていくが肝要であると考えられます。

この「高い価値」という点に関連して、最近では「付加価値」という概念が注目されています。 

一般的な付加価値とは、商品やサービスに特別な価値を付与し、顧客をはじめ世の中へ提供することを意味します。様々な企業が、多くの商品·サービスを提供していますが、なぜこの企業の商品を購入したのかという決め手が「付加価値」を意味します。ニーズの高い商品は、何らかの点でライバル企業との間で「差別化」を図ることに成功しています。付加価値を生み出しているからこそ、企業は社会的な組織としての存在意義があり、ビジネスとして成り立っています。

経理業務における付加価値:業務の生産性の向上

経理業務における付加価値は、先述の商品等に特別な価値を付与するという観点とは、考え方が異なりますが、他と「差別化」を図るという点は共通していると考えられます。少なくとも、日々淡々と数値の集計等の作業を行うのみにおいては、経理業務において何ら価値は生まれません。なぜなら、そのようなルーティン業務は、どの会社でも当たり前に行われており、「差別化」にはつながらないからです。

ここで、経理業務における付加価値の向上を図る方法の一つとして、「業務の生産性向上」という観点がポイントとなります。経理業務の付加価値は、業務の生産性向上によって高まっていくものと考えられます。

製造業の経理業務において利益率及び付加価値を高めるには?

利益率や付加価値を高めるための戦略は、会社の業種や、ビジネスモデル、戦略などに応じて異なってきます。多岐に渡る業種のうち、今回は「製造業における経理業務での利益率と付加価値」について解説していきたいと思います。

利益率向上のための方法

会社の儲けを表す利益は、「売上-費用」という計算式で算定されます。

ここで、「利益」の金額を大きくするには、「売上の増加」か「費用の減少のいずれか、または両方を達成する必要があります。

このうち、「売上の増加」は、企業にとっては比較的ハードルが高い方法と言えます。売上の増減は、景気の動向、為替·金利リスクといった外部要因に左右される部分も大きいため、自社の努力のみでは、必ずしも「売上の増加」ことにつながるとは限らないからです。

これに対して「費用の減少」は、「売上の増加」に比べて、自社でコントロールがしやすいと考えられます。(詳細については後述参照)

また利益率は、「利益÷売上高」により算出されます。すなわち、「費用の減少」を図かり、利益の割合を増やすことで、利益率を高める有効な施策と考えられます。

製造業において発生する原価の種類

では、利益率を高めるためには、実際にどのような形で「費用の減少」、すなわちコスト削減を実行していくことが、効果的でしょうか。

製造業といえば、例えば自動車産業などがイメージできます。工場で自動車を製造する際は、材料費、人件費、外注費、経費など、様々なコストが発生します。さらに経費を細分化すると、水道光熱費、賃借料、減価償却費、運送費、通信費など、内容は多岐にわたります。

この中でも、自社での費用削減において着手しやすいのは、「人件費」、「外注費」、「経費」であると考えられます。

材料費は、外部の仕入先から材料を仕入れた際に発生する原価を意味しますが、一般的に材料費の多寡は、資材価格の高騰や、仕入先の方が力を持っている場合に希望価格での交渉に応じてもらえず、材料価格を下げることが困難な場合は、自社でのコントロールが難しくなります。

一方で、人件費や経費については、社内の裁量で比較的削減を図りやすく、また外注費についても、単価の低い外注先に切り替えるなど、社内でコントロールしやすい費目と言えます。

製造業において発生する原価の種類

経理業務が利益率に与える影響

経理業務において発生する主な費用は、人件費が該当します。基本的には、経理人員の労働時間の発生に伴い人件費も発生するので、経理人員の働く時間が多ければ多いほど、人件費が多く発生します。その結果、会社の儲けの指標である利益率には、マイナスの影響を与えることとなります。

例えば大企業など、古くから事業活動を行っているような会社の経理業務の場合は、「手作業」を中心とした方法で、業務を進められるケースが比較的多いです。

このような製造業の会社における、材料の仕入取引において作成される納品書や請求書といった資料は、基本的に紙ベースで発行されるケースが多いです。

また、会計帳簿の作成の元となる仕訳伝票を、経理部上長が承認する際は、基本的に仕訳伝票は、紙ベースで提出され、上長が目検で伝票を1件1件チェックし、承認はハンコの押印により行われるといった、かなりアナログな手法で進められるケースが良く見られます。この場合、取引件数が増加するにつれて、作成される紙資料や、承認が必要な仕訳伝票の件数も膨大になるとともに、作業時間も大幅に増加し、業務が煩雑になります。そうなると、経理人員の労働時間はますます増加し、同時に人件費も増加するので、結果的に会社の利益率のマイナスにつながってしまいます。

よって経理業務においては、経理人員の労働時間及び人件費の削減が、会社の利益率の増加につながります。

但し、いわゆるリストラのように、強引な手法で人件費の削減を行った場合は、一時的な利益率の上昇にはつながるものの、長期的に捉えた場合は、優秀な経理人員の喪失など、経理業務におけるリソースの低下につながり、結果的には、経理業務の品質低下にもつながってしまいます。

そこで経営戦略上は、利益率だけでなく、上述の「付加価値」という概念も非常に重要になってきます。

付加価値は換言すると、上述の通り「業務の生産性向上」との表現も可能であり、付加価値を高める上で重要な考え方と言えます。

経理業務における生産性の向上

上述の通り、経理業務において利益率と付加価値を高めるには、「人件費の削減」だけでなく「業務の生産性向上」も考慮に入れる必要があります。そのための施策として、どのような方法が考えられるでしょうか。

経理システムの導入

有効な施策として、システムの導入により、経理業務の自動化·効率化を図り、経理部員の人件費削減につなげる方法が考えられます。

例えば製造業の会社の場合、従来は材料の仕入取引に関する資料を紙ベースで作成し、取引先との資料のやりとりに時間や手間がかかっていた業務を変更し、当該資料をシステム上全てデータで自動生成し、取引先とのやりとりも、クラウドシステム上で自動的にデータ送信をするなどの方法が考えられます。

その結果、従来は手作業での対応によりかかっていた時間の削減が可能となり、また同時に、経理業務において発生する人件費も削減され、会社の利益率向上につながります。

今までは人の手で行われていた比較的単調な作業を、経理システムが自動的に実行することで、経理人員はより高度な業務に専念することができるので、経理業務全体の生産性の向上につながると考えられます。また経理部における余剰人員を、他部署へ配置転換することにより、人的リソースの適切な再配分を行うこともできます。

原価計算の自動化

製造業の場合、全国各地に工場拠点を有しているケースがあります。

例えば自動車工場の場合は、自動車の製造·開発において、材料費·人件費·諸経費といった様々な費用が発生します。

これらの工場で発生した費用は、工場経理という、各工場内の経理部門において集計され、原価計算が行われます。各工場で計算された製造原価の金額は、通常は本社経理という部門に集約され、各工場での原価計算結果の取りまとめを本社経理が行い、会計帳簿への記録や、決算書への反映が行われます。

ここで、工場経理部門における業務が、仮に手作業中心で行われている場合、原価計算はExcelワークシート等で行われ、本社経理に対しては、メールで当該Excelファイルを提出するようなプロセスが想定されます。

しかしこの場合、工場経理側が作成するExcelシート上で、バグや計算ミスが検出されると、手戻りやワークシートの修正等の対応のため、追加的な作業時間が発生し、工場経理人員の人件費が必要以上に発生したり、また工場拠点によっては、本社経理へ原価計算結果が記録されたワークシートを、期日までに提出できなかった等により、本社経理側で催促する手間が生じるなど、オペレーション上の非効率発生にもつながります。

しかし、工場経理において原価計算システムの導入により、原価計算の自動化を図ったり、また工場経理と本社経理部門間で、経理システムの連携を図ることで、原価計算システム内の計算結果が、本社経理システムへ自動的に連携されることとなります。

その結果、上記手作業による原価計算の場合に生じるような非効率を大幅に削減可能となり、工場経理部員の人件費削減による会社の利益率向上だけでなく、原価計算業務の生産性の向上、すなわち付加価値の向上につなげることが可能となります。

利益率及び付加価値の更なる向上のために

利益率及び付加価値の更なる向上につなげるための手法として、「原価管理」が非常に重要です。

製造業においては、様々な費用が発生します。この中から現状発生している費用を細分化し、無駄なコストが発生していないかどうかを徹底的に洗い出し、かかる無駄なコストを適切に削減していくことが重要です。

逆に、闇雲な費用削減は、業務の生産性悪化につながる恐れもあります。かかる生産性を下げないために、「削減すべきではない費用の把握」も同時に必要です。

これらの原価管理を適切に行い、無駄なコストの削減の徹底につなげていくことが、利益率及び付加価値向上において、経理部門に期待される役割と言えます。

また昨今では、AI やDX(デジタルトランスフォーメーション)といった、非常に高度な技術レベルの仕組みを、経理業務に取り込むことについて注目を集めています。AIやDXの導入により、従来は人の手で行っていた業務の一部をAI自身が、人と同じかそれ以上のレベルで判断や処理することできるようになってきています。

今後ますます技術が促進し、AI自身が経理業務において高度な判断·処理を行える範囲が拡大することで、さらなる経理業務の生産性の向上、すなわち付加価値の向上につながっていくことが期待されます。

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