製造業の「コト売り」とは?モノ売りからの転換に合わせてバックオフィス業務を整備しよう

製造業の「コト売り」とは?モノ売りからの転換に合わせてバックオフィス業務を整備しよう

こんにちは。「KIMERA」コンサルティングチームの花田です。

一般消費者に向けて、サブスクリプション契約を用いた音楽や動画配信サービスが普及し、「モノからコトへ」という言葉も広く世間一般に普及してきました。最近では一般消費者だけでなく、企業向けにサブスクリプションを用いた製品やサービスを提供する「コト売り」ビジネスを展開する企業が増加しています。

当記事では製造業の「コト売り」ビジネスの概要と、従来の「モノ売り」ビジネスからの転換に合わせて整備しておくべきバックオフィス業務を解説します。

1.製造業の「コト売り」とは

この章では、「モノ売り」から「コト売り」への転換と、製造業の「コト売り」ビジネスの事例を解説します。

(1)「モノ売り」から「コト売り」へ

近年、デジタル化の進展に伴い生活やビジネスが大幅に変化し、「モノ売り」から「コト売り」へのシフトが進んでいます。身近な例だと、サブスクリプションを用いた音楽や動画配信サービスがあり、従来のCDの販売やレンタルビデオの事業から大きな変化を遂げています。この変化は、「モノ」による価値から「体験」による価値へのシフトであり、「モノからコトへ」という呼び名で広まっています。

この変化は製造業の企業向けビジネスも同様で、これまでのように品質や機能を追求した製品を製造し「モノ」として販売するだけでは、顧客への販売が伸び悩む可能性が高くなっています。製造業においても、製品を販売する「モノ売り」からサービスを提供する「コト売り」への転換が進んでおり、既存製品の販売から、新たなサービスをかけあわせた付加価値を生み出していくことが重要です。

(2)製造業の「コト売り」事例

「コト売り」の事例として、私たちの生活に馴染みのある音楽配信サービスを取り上げましたが、ここからは製造業の「コト売り」の事例をいくつか解説します。

①建設機材

1つめの事例は、建設機材のコト売り事例です。メーカーが提供する建設機材にセンサーを搭載し、1台1台の稼働状況をリアルタイムで把握することを実現しています。これにより、機械を利用した作業の効率化や、機械の消耗程度に応じたメンテナンスの実施により、機械の故障や事故を未然に防止することに役立てています。

②医療機器

2つめは医療機器の事例です。血圧計などの測定データを病院と共有することにより、患者は自宅にいながら医療を受けることができるサービスです。これにより、患者は好きなタイミングで医療を受けることができるだけでなく、通院時間や待ち時間などの負担も削減できます。

③自動車/タイヤ

3つめは自動車やタイヤの事例です。まずは自動車をサブスクリプションで提供するサービスです。これによりユーザーは独身時、子育て時、老後など、時点に合わせて車を選ぶことができます。また、別の事例として、業務用のバスやトラックなどのタイヤを提供するサービスがあります。これはタイヤにセンサーを搭載することで空気圧や摩耗状況を監視し、自己を未然に防ぐことに役立っています。

このように製造業においても、製品を販売するだけでなく、新たな付加価値を加えた継続的なサービスを提供するサブスクリプションビジネスを展開しています。

2.サブスクリプションビジネスにおけるバックオフィス業務

「コト売り」ビジネスが進むにあたり、サブスクリプションを活用したビジネスモデルが多くなっています。

この章では、基本的なバックオフィス業務の内容と、サブスクリプションビジネスを導入することで増加する業務について解説します。

(1)バックオフィス業務とは

バックオフィス業務とは、経理・財務、人事・労務、総務など、直接収益を上げる部門を後方からサポートする業務をいいます。会社によっては、間接部門、管理部門といった呼び方をしています。一方、顧客や業務上の取引先と直接関わり、会社の利益を稼ぐ業務をフロントオフィスといいます。フロントオフィスを支えるバックオフィス業務の概要は以下のとおりです。

業務内容
経理・財務経理は、日々のお金のやりとりを全て把握し、伝票作成や、現金及び売掛金(買掛金)、その他の資産管理を行います。また、決算書類や財務諸表の作成も担っています。 財務は、毎月の資金繰りや資金調達、会社資産の運用などを担い、会社の事業活動が円滑に進むように支援しています。
人事・労務 総務人事は、人材の採用や配属先の決定、育成・評価を行います。 労務は、従業員の勤怠管理や給与計算、社会保険の手続き、福利厚生の整備などをメインに活用しています。 総務は、会社の設備や備品の管理、社内行事の企画・運営など、他の部署で扱わないあらゆる業務をカバーしています。
情報システム情報システムは、従業員のPC手配やセットアップに加え、セキュリティ対策を行います。また、業務効率化のための情報インフラの整備など、IT全般を統括する重要な業務を行います。
法務法務は、各種契約内容の確認や社内の法律相談への対応を行います。近年、コンプライアンスの徹底がより重要視されているため、重要度が増加しています。
一般事務フロントオフィスである営業職のサポートとして、見積書や請求書の作成及び送付、営業担当者が使用する資料の準備、顧客情報の管理等を行います。

(2)経理・財務のバックオフィス業務 

ここからは、「コト売り」によるサブスクリプションビジネスを導入することで増加する業務として、経理・財務の業務を取り上げ、とりわけサブスクリプションの請求・入金管理が大変な理由について解説します。

①製品の売上から入金確認までの流れ 

「コト売り」によるサブスクリプションビジネスを導入することで増加する経理・財務の具体的な業務として、製品の受注・売上、請求書の発行から入金確認までを含めた一連の流れを解説します。

製造業の「コト売り」とは?モノ売りからの転換に合わせてバックオフィス業務を整備しよう
実施項目内容
見積書の発行企業が製品やサービスを販売する際には、販売する製品やサービスの見積書を作成して、顧客に送付する必要があります。提供する製品やサービスが変わる場合には都度発行する必要があるため、顧客数や取引回数が増えれば増えるほど増加していきます。
注文書の受領及び 製品・サービスの提供顧客から見積書の内容について合意を得たら、正式に注文書を受領します。 受領した注文書の内容に従い、指定の納期までに製品・サービスの提供を行います。
納品書の発行及び検収の受領製品・サービスの提供にあわせて顧客に対し納品書を発行します。 納品完了の証として検収を受けることにより、製品・サービスの提供が完了したことが証明されます。
請求書の発行検収を受領したら、その製品・サービスの請求書を発行します。 納品の都度発行する場合もありますが、月末日などに1ヶ月分の取引をまとめた請求書を発行することが一般的です。請求書は紙面を郵送する場合やメールに添付して送付する場合がありますが、入金予定日は締切日の翌月末とすることが多いです。(例:9月末締切、10月末支払いなど)
入金消込の実施入金予定日に顧客から請求書どおりの金額が銀行口座に入金されていることを確認し、入金が確認できたら入金消込を行います。入金されていない場合や、入金金額が請求金額と異なる場合は、顧客に連絡して確認します。その前に、請求書の送付もれや請求金額誤り等、自社の手続きに問題がないかを確認しておくことが重要です。

(3)サブスクリプションの請求・入金管理が大変な理由

サブスクリプションビジネスの拡大に伴い、従来からの製品を製作して販売する「売り切り」型のビジネスから、サービスを提供し続けることにより毎月継続して収益を得るビジネスモデルに変化しています。

サブスクリプションの会計処理を正しく行うためには、受注業務から売上計上までに加えて、売上計上後の請求書発行から入金処理までの一連の流れを明確にする必要があります。そのためにも、まずは既存の売り切り型の経理処理とサブスクリプション型の経理処理の違いを整理し、理解することが重要です。

これから3つの具体例とあわせて、サブスクリプションの請求・入金管理が大変な理由について解説します。

①サブスクリプションの請求・入金管理の具体例

従来からの「売り切り型」と新たなビジネスモデルである「サブスクリプション型」の違いについて、3つの具体例を用いて解説します。

例1)4月に60万円の製品を3月末納品で受注し、代金は3月末締切で請求書を発行し4月末入金の場合を見てみましょう。この場合の会計処理は、以下のとおり、3月末に製品を納品し検収を受けた時点で、売上を計上し、4月に売上代金が入金された時点で売掛金の消込を行う2つの仕訳で完結します。

3月:売掛金 60 / 売上 60
4月:現金 60 / 売掛金 60
(単位:万円)


4 月5 月6 月7 月8 月9 月10 月11 月12 月1 月2 月3 月4 月
売上










60
売掛金










600
前受金












現金











60

例2)次は4月に月額5万円のサブスクリプションの申し込みを受領し、支払いは月額請求の場合です。この場合の会計処理は、借方に売掛金5、貸方に売上5が計上されますが、同月中に現金5が入金されるため、売掛金は計上されず、現金として計上されます。5月以降も毎月同じ仕訳が計上されます。

4月:売掛金 5 / 売上 5
4月:現金 5 / 売掛金 5
5月:現金 5 / 売上 5 (6月以降も毎月継続)

(単位:万円)


4 月5 月6 月7 月8 月9 月10 月11 月12 月1 月2 月3 月4 月
売上5555555555555
売掛金












前受金












現金5555555555555

例3)次は例2を年間契約し4月に1年分を受領した場合です。この場合の会計処理は、4月に1年分の利用料として現金60が計上されますが、4月分の売上は5だけのため、残りの55は前受金として計上します。5月以降は、前受金の5ずつ売上に振替えて計上します。翌年度以降も継続する場合は、翌年度の4月に前受金60を計上し、毎月売上への振替えを行います。

4月:現金 60 / 売上 5
4月: / 前受金 55
5月:前受金 5 / 売上 5 (6月以降も毎月継続)
(単位:万円)


4 月5 月6 月7 月8 月9 月10 月11 月12 月1 月2 月3 月4 月
売上5555555555555
売掛金












前受金555045403530252015105060
現金60











このように、同じ製品を販売、利用する場合でも、売り切り型では仕訳が2つで完結しますが、サブスクリプションになると、毎月仕訳を行う必要があり、使用する勘定科目も内容により異なります。また、仕訳を行うだけでなく、請求書を発行したり、入金に応じて入金消込を行ったり、仕訳が増えることでその他の事務処理も増加します。

②サブスクリプションの請求・入金管理が大変な理由

サブスクリプションビジネスでは、月額契約や年額契約など様々な契約形態が存在するため、経理処理が複雑かつ件数も多くなり、担当者の手間が大きく増えている場合があります。

年額契約の場合では、1年分のサービスを継続提供することを前提に1年分の利用料を先にまとめて受領することになります。その場合、会計処理は1年分の利用料のうち、期間が経過した部分のみを売上に計上し、残りの期間は前受金として計上することになります。その後、1ヶ月が経過するごとに前受金から売上高に振り替えていくことになるのが一般的な流れです。面倒だからと1年分をまとめて売上計上してしまうと、期間損益にずれが生じるため注意が必要です。

更に、月額契約や年間契約など、顧客によって請求するタイミングが異なる、年間契約にすると毎月の利用料が割引になる、基本契約にオプションを追加したことにより月額の利用料が変わる、といった場合には仕訳も複雑になり、かつこれに対応する請求書発行や入金消込にも多くの手間がかかります。

このように、サブスクリプションの経理処理は、顧客や取引数の増加により、多くの手間が発生することを覚えておくことが重要です。

3.請求管理システム導入による効率化

従来からの売り切り型のビジネスモデルであれば、エクセルを用いて請求や入金の管理をすることもできたかもしれませんが、サブスクリプションのビジネスモデルに移行し、かつ顧客数や取引数が増えてくると、エクセルでの管理にも限界があります。

エクセルを用いた手作業での管理では、請求もれや請求金額誤り、二重請求などが発生し、お客様に迷惑をかけ、企業の信頼を失う事態にもなりかねません。

このような問題の解決を図るのが、請求管理システムの導入です。サブスクリプションビジネスの普及に伴い、サブスクリプションに特化した便利な機能を持つ請求管理システムや、周辺業務と連動したサービスを提供するシステムも存在しています。これらの仕組みをうまく活用して、適切な会計処理と事務負担の軽減・両立を実現することが重要です。

4.まとめ

一般消費者向けの音楽や動画配信サービスからサブスクリプションビジネスが普及してきたが、今では製造業にも広く導入されており、「モノ売り」から「コト売り」へのシフトは今後さらに加速することが予想されます。

しかしながら、サブスクリプションビジネスは、顧客の契約状況や料金体系の把握が困難で、顧客や取引数の増加により多くの手間が発生します。このような一連の業務の効率化には請求管理システムがおすすめです。

サブスクリプションの顧客や契約管理、請求・回収業務、会計処理に至る一連の業務を効率化し、バックオフィス業務を負担を軽減していきましょう。

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