売掛金とは?仕訳の注意点や計上時期と回収時期のタイミングを詳しく解説!

売掛金とは?仕訳の注意点や計上時期と回収時期のタイミングを詳しく解説!

こんにちは。「KIMERA」コンサルティングチームの花田です。

企業間の取引で頻繁に出てくる「売掛金」。売上の対価として登場する、経理担当者には馴染みの深い言葉ですが、会社が実際に活動していく上で売掛金とその管理はとても大切な役割を担っています。

もう一度基本に立ち返り、売掛金の性質や重要性、仕訳の際の注意点を整理していきましょう。

そもそも売掛金とは?

売掛金(うりかけきん)は、売上の対価として将来的に金銭を受け取る権利のことをいいます。

日常生活での消費活動では、そのほとんどが現金取引となっています。しかし企業間で継続的な取引がある場合は、円滑でスピーディに取引をするため、月末締めや20日締めなど一定期間での売上を集計して、後払い(掛け)で取引することがあります。これを掛け取引といいます。

売上は商品やサービスを提供した時点で計上されるため、掛け取引では売上が計上される時期と売上代金が入金される時期がずれてしまいます。

そこで、売上代金を確実に回収するため、売上を計上した時に、将来的に売上代金として受け取れる金額を売掛金として計上するのです。

売掛金は将来的に金銭を受け取る権利として貸借対照表に表示され、翌期以降に繰り越されていきます。

売掛金と似た言葉に買掛金(かいかけきん)があります。売掛金と買掛金との違いは、売買の立場の違いであり、売上代金を後で受け取ることができる権利が売掛金であるのに対し、仕入代金などを後で支払わなければならない義務が買掛金となります。

売掛金が必要な理由

現金取引の場合は商品やサービスがお客様のものになった時点で販売店は現金を手にすることができます。しかし掛け取引の場合、売上の時点で商品やサービスはお客様のものとなりますが、商品やサービスを販売した会社にはまだ手元に現金も預金も入ってきません。そのため掛け取引では、どのお客様にいくら売り上げ、代金をいくら回収するのかを把握する必要があります。

そこで役立つのが売掛金です。お客様ごとに、売掛金がいくらあるか、そしてその回収時期はいつかを把握しておくことで、商品やサービスの代金の回収を漏れなく行うことができるのです。

売掛金の仕訳例

売掛金の計上、回収、未回収時の元帳への仕訳方法は以下のようになります(すべて税込経理)。

売上を計上するとき

【例】 掛け取引で、税込み11,000円を売り上げた

借方貸方
売掛金 11,000売上 11,000

売掛金を回収するとき

【例】 売掛金11,000円が普通預金口座に振り込まれた

・振込手数料が取引先負担の場合

借方貸方
普通預金 11,000売掛金 11,000

・振込手数料が当社負担の場合(手数料330円が引かれて入金した場合)

借方貸方
普通預金  10,670売掛金 11,000
支払手数料   330

【例】 売掛金の回収として11,000円の手形を受け取った

借方貸方
受取手形 11,000売掛金 11,000

売掛金が回収不可能となったとき

【例】 売掛金11,000円が回収不可能となった

借方貸方
貸倒損失 11,000売掛金 11,000

どのような回収方法であっても、このように仕訳をすることによって、売上を計上するときに売上金額が売掛金となり、売掛金を回収した時にその売掛金が消えて現金または預金が増えることになります。

売掛金の計上時期、回収時期

売掛金の計上時期は?

売掛金は売上と同じタイミングで計上します。では売上と売掛金はどのタイミングで計上するのでしょうか。

会計上、売上は商品やサービスを提供した時点で計上されます。これを実現主義といいます。商品の場合はその商品を引き渡したタイミング、サービスの場合はサービスを提供したタイミングが売上と売掛金を計上する時期となります。

売掛金の回収時期は?

売掛金の回収時期は取引先との合意で決まります。

月末締めの翌月20日払い等、あらかじめ企業間で取り決めしておくのが一般的です。請求書に支払期日が記載され、それまでに売掛金の回収がおこなわれることになります。

売掛金管理のポイント

売掛金管理はなぜ必要?

企業の経済活動は商品やサービスを提供して終わりではありません。その商品やサービスの対価を受け取ることによって実際の収益がもたらされるのです。

そのため、

  1. どの取引先に 
  2. いくらの売掛金があり 
  3. その売掛金はいつ回収される予定か
  4. 実際に回収されたのはいつか

を把握する必要があります。これが売掛金管理です。

売掛金管理をすることにより、まだ回収できていない売掛金はないか、売掛金の金額について得意先との認識のずれがないかも確認することができます。

具体的な売掛金管理方法は?

売掛金管理は売掛金台帳や得意先台帳で管理します。

具体的には、取引先ごとに台帳を作り、

  1. 取引のあった日 
  2. 取引した商品やサービスの名称 
  3. 売上金額
  4. 売掛金の回収予定日
  5. 売掛金の回収日
  6. 売掛金残高

を記載することになります。

最近では会計ソフトを導入している企業が多くなっています。会計ソフトなら、簡単に複式簿記で記帳することができ、売掛金台帳(売掛金元帳)も同時に作成されます。

売掛金に関する仕訳の注意点

売掛金の意味と売掛金管理の大切さはお分かりいただけたでしょうか。

ここからは、実務上も注意していただきたい売掛金に関する仕訳の注意点を何点か紹介します。

売掛金を計上した時の仕訳

売掛金と売上の金額

税込経理で売上を計上した時の仕訳は上で見てきたとおりです。

売上を計上するとき

【例】 掛け取引で、税込み11,000円を売り上げた

借方貸方
売掛金 11,000売上 11,000

税込経理の場合は、売上の金額と売掛金の金額は一致しています。

しかし、税抜き経理で仕訳をする場合には、

【例】 掛け取引で、税込み11,000円を売り上げた

借方貸方
売掛金 11,000売上 11,000
仮払消費税 1,000

となり、売上の金額と売掛金の金額は一致しません。

税抜会計を採用している場合は消費税込みの金額を売掛金とすることに注意しましょう。

源泉徴収額を引いて請求書を作成している場合の売掛金の金額

原稿料や税理士への報酬など、報酬や料金の支払を受ける者が個人の場合は、その報酬の種類によって源泉徴収をする必要があります(詳細は注1参照)。

【例】商品カタログに掲載する商品の撮影を税込み11,000円で受注した(税込経理)

借方貸方
売掛金 11,000売上 11,000

この場合、請求先であるお客様の方で源泉徴収税額を計算して、それを差し引いた金額を振り込んでもらうことになるのですが、実務上、請求する側があらかじめ源泉徴収税額を差し引いた金額を請求することもあります。

例) 売上高 11,000円、源泉徴収税額1,021円、請求金額9,979円の場合の請求書イメージ

請求金額 9,979円(内訳は以下の通り)

撮影報酬10,000
合計金額10,000
消費税額1,000
源泉徴収税額△1,021
差引請求金額9,979

このような場合、請求金額だけを見て

借方貸方
売掛金 9,979売上 9,979

としないように注意が必要です。

あくまで売上は11,000円ですので、仕訳は

借方貸方
売掛金 11,000売上 11,000

となります。

 (注1)【報酬・料金等の支払を受ける者が個人の場合の源泉徴収の対象となる範囲】

  1. 原稿料や講演料など
    ただし、懸賞応募作品等の入選者に支払う賞金等については、一人に対して1回に支払う金額が50,000円以下であれば、源泉徴収をしなくてもよいことになっています。
  2. 弁護士、公認会計士、司法書士等の特定の資格を持つ人などに支払う報酬
  3. 社会保険診療報酬支払基金が支払う診療報酬
  4. プロ野球選手、プロサッカーの選手、プロテニスの選手、モデルや外交員などに支払う報酬・料金
  5. 映画、演劇その他芸能(音楽、舞踏、漫才等)、テレビジョン放送等の出演等の報酬・料金や芸能プロダクションを営む個人に支払う報酬・料金
  6. ホテル、旅館などで行われる宴会等において、客に対して接待等を行うことを業務とするいわゆるバンケットホステス・コンパニオンやバー、キャバレーなどに勤めるホステスなどに支払う報酬・料金
  7. プロ野球選手の契約金など、役務の提供を約することにより一時に支払う契約金
  8. 広告宣伝のための賞金や馬主に支払う競馬の賞金

参考:https://www.nta.go.jp/publication/pamph/gensen/aramashi2016/pdf/07.pdf

売掛金を回収した時の仕訳

商品やサービスを販売し、売上と売掛金を計上し、売掛金を回収するという一連の手順の最終段階として、入金消込という作業があります。

この入金消込とは、売掛金や未収入金などの債権の額と、実際に支払われた入金額とを照合し、債権をゼロにする作業をいいます。つまりこの入金消込により、計上していた売掛金はゼロになるのです。

この売掛金の消し込み作業(入金消込)の際に注意が必要になるのが以下の場合です。

振込手数料が当社負担となっている場合

売掛金を回収するとき、振込手数料を当社が負担する場合には、入金額は振込手数料を引いた金額となります。

【例】 売掛金11,000円が普通預金口座に振り込まれた(手数料330円が引かれて入金した場合)

借方貸方
普通預金  10,670売掛金 11,000
支払手数料   330

ここで、入金額が10,670円であることから

借方貸方
普通預金 10,670売掛金 10,670

と仕訳するミスが実務上よく見られます。

このままだと振込手数料分の売掛金330円がいつまでも消し込まれず、残ってしまうことになります。

仕訳を行う際は、本来の売掛金11,000円をすべて消し込むことを念頭において、売掛金の金額と入金額を比較して、金額に差異がある場合は振込手数料が当社負担となっているかどうかも確認していきましょう。

源泉徴収額を引いて請求書を作成している場合

売掛金の計上時と同様、源泉徴収を行った場合の売掛金の回収にも注意が必要です。

入金額は源泉徴収後の金額となるので、仕訳はこのようになります。

【例】 売掛金11,000円のうち、源泉徴収後の9,979円が普通預金口座に振り込まれた

借方貸方
普通預金 9,979売掛金 11,000
仮払税金 1,021

ここでも、入金額だけを見て

借方貸方
普通預金 9,979売掛金 9,979

としないように注意が必要です。

源泉徴収額を引かずに請求書を作成している場合

複雑になるのがこのパターンかもしれません。

源泉徴収が必要になる報酬の場合、

支払金額が100万円以下の場合:支払金額×10.21%
支払金額が100万円超の場合:10万2,100円+(支払金額-100万円)×20.42%

という計算式によって源泉徴収税額を計算します。

当社でその計算を行い、その金額を源泉徴収税額として差し引いた金額を振り込んでもらう場合は問題ないのですが、お客様の方で源泉徴収税額を計算して差し引いた額を振り込まれた場合は、売掛金と入金額の差額を丁寧に消し込む必要があります。

【例】 売掛金11,000円の回収として9,649円が普通預金口座に振り込まれた(振込手数料330円は当社負担とする)

借方貸方
普通預金 9,649売掛金 11,000
仮払税金 1,021
支払手数料 330 

ここで注意するのが、実務上、源泉徴収税額の計算はミスがとても多いということです。

一般的には源泉徴収の対象となる取引の税抜金額に、

支払金額が100万円以下の場合:支払金額×10.21%
支払金額が100万円超の場合:10万2,100円+(支払金額-100万円)×20.42%

の計算式をあてはめて源泉徴収額を計算するのですが、会社によって計算方法が違うのが現状です。

税込金額に上記計算式をあてはめて計算する会社、源泉徴収の対象とならない取引(撮影用小物などの経費など)も含めて計算する会社など、こちらの計算した源泉徴収税額と異なる金額を源泉徴収する会社もあります。

売掛金の消し込みの際に悩まなくて済むよう、源泉徴収が必要な取引をする際は、取引先がどのように源泉徴収の計算をしているのかを経理担当者同士で情報交換することが大切です。

売掛金が回収できなかった時の仕訳

得意先の倒産などの理由で、残念ながら売掛金が回収できなくなることもあります。

【例】 取引先の倒産により、売掛金11,000円の回収が不可能になった

借方貸方
貸倒損失 11,000売掛金 11,000

法人税法上、貸倒損失の計上が認められているのは以下のケースです。

法人税法上で貸倒損失の計上が認められるケース

1・法律上の貸倒れ状態にあるケース

  • 更生計画認可の決定がされた場合
  • 再生計画認可の決定がされた場合
  • 債権者集会の協議決定がされた場合
  • 特別清算にかかる協定認可の決定がされた場合
  • 債務超過状態が長期間続き弁済が受けられず、書面にて債務免除が通知された場合

2・事実上の回収不能状態にあるケース

  • 相手方の資産状況などから、事実上、売掛金を回収できる見込みがない場合

3・形式上の貸倒れ状態にあるケース

  • 取引が停止してから1年以上経過している場合
  • 債権額が取立費用より小さい場合

このうち、3の場合は備忘価格として1円を残した上で、残りを貸倒損失に計上します。

 【例】 売掛金11,000円を有する取引先との取引停止から1年以上が経過した

借方貸方
貸倒損失 10,999売掛金 10,999

こうすることによって、売掛金1円が備忘価格として貸借対照表に残ります。

まとめ

会社にとって、売掛金の回収は大切な仕事です。掛け取引の場合、売上は将来的に金銭を受け取る権利(売掛金)を得たというだけにすぎず、売掛金が回収できなければ金銭を得ることができません。

どの相手に、いくらの売掛金があり、その売掛金はいつ頃回収予定であるかを把握し(売掛金管理)、回収予定日を過ぎた売掛金をどう回収するか。

売掛金とその管理は、会社が実際に活動していく上での重要な要素なのです。

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