リカーリングレベニューとは?注目される背景と最適化のために求められる管理方法を解説

リカーリングレベニューとは?注目される背景と最適化のために求められる管理方法を解説

こんにちは。「KIMERA」コンサルティングチームの花田です。

リカーリングレベニュー(繰延収益)とは、顧客との継続的な契約で生み出される定期的な収入のことです。

リカーリングとは「繰り返す」「循環する」という意味で、売って終わりではなく、継続的に収益をあげていく仕組みがリカーリングビジネスになります。

この記事では、リカーリングビジネスとはどういったものなのか、また、その管理のポイントについて解説していきます。

リカーリングビジネスの概要

リカーリングとは、シェアリングエコノミーや継続課金といった収益がでるストック型のビジネスです。

従来のビジネスでは一回売って一度きりの収益を得るのが一般的なビジネススタイルでした。これからはシェアリングエコノミーや継続課金といった方法の収益モデルがオーソドックスなものになっていくでしょう。

一回売って終わりのフロー型ビジネスの多くは、継続性のない都度取引です。飲食店や小売店がその代表で、従来のビジネスの大半がフロー型になります。

一方で、ストック型ビジネスとは、顧客と一定期間に渡る契約を結び、商品・サービスを売り続ける仕組みを構築し、継続的に収益がでるビジネスモデルになります。

会員制のジムや塾、電気・ガス、通信サービス等が該当します。リカーリングとは、このストック型ビジネスの1つです。リカーリングビジネスの先駆けとされているのは、アメリカの剃刀メーカーであるジレット(Gillette)社です。

剃刀本体を無料で配布し、利益率の高い付け替刃を継続的に購入してもらうことで、安定した収益を獲得することに成功しました。

リカーリングはこのように、幅広い形態に対応します。古いものでは、有料衛星テレビやケーブルテレビの設置料金からの継続課金。生命保険。映画やドラマのシリーズものも、広い意味でのリカーリングにあたります。

リカーリングレベニューとは?

リカーリングレベニューとは、繰延収益のことで、売上の中で将来的に継続する可能性が高い売上をあらわすことばです。

リカーリングレベニューを拡大することでLTV(顧客生涯価値)の向上にも繋がり、すなわち収益アップにも直結します。

リカーリングが注目される背景

上記例でもお分かりのとおり、リカーリングは企業経営の領域では古くから存在する概念であり、決して新しいビジネスモデルではありません。

そんなリカーリングが近年注目を集めている背景にあるのは、「消費者行動の変化」です。

現代はインターネットサービスの爆発的な普及によって、顧客や消費者の情報リテラシーが向上しています。購買行動に「インターネットを活用した情報の検索と共有」が加わったことにより、競合他社との差別化が困難な時代になりつつあります。

さらにテクノロジーの発展とともに、市場環境の変化が加速しています。そのため市場の成熟化と相まって、商品のライフサイクルが短縮化していく傾向にあります。このような時代において、売り切りを基本とするフロー型のビジネスモデルでは、経営基盤の安定化を図るのは容易ではありません。変化の加速する現代環境で競争優位性を確立するには、安定した収益獲得の構造と強固な財務基盤の確立が必要であり、その実現に繋がるリカーリングビジネスが大きな注目を集めています。

フロー型ビジネスとストック型ビジネスの比較

そこで重要とされるのがビジネスモデルの確立です。これには多種多様な形態が存在するものの、大きくフロー型とストック型に分類されます。フロー型とストック型の例について、もう少し詳しく説明いたします。

フロー型は売り切りを基本とするビジネスモデルであり、例えば飲食店や家電量販店、Webサイト制作やITシステムの設計などが該当します。

一方でストック型は継続的な収益が見込める事業形態を指し、新聞や雑誌の定期購読、不動産の賃貸、士業の顧問契約といったものが代表的なビジネスモデルです。インクジェットプリンターやコピー機などもリカーリングビジネスの代表的な事例の一つです。

例えば、プリンター機器のメーカーは機器の販売で単発の利益を得るのではなく、インクカートリッジの販売による継続的な収益を主眼に置いています。プリンターを使用し続けるのにはインクカートリッジの補充や詰め替えが必須であり、消耗品を継続的に必要とする仕組みを構築することで、安定的な収益が見込めるためです。制作後の保守管理はストック型のリカーリングビジネスに該当します。

その他にも携帯電話の通信事業やゲーム機の販売事業、定額制の通信サービス、会員制のジム、生命保険、クレジットカード、学習塾などもリカーリングビジネスの代表例です。

リカーリングビジネスとサブスクリプションの違い

リカーリングと似たビジネスとして、サブスクリプションがあります。リカーリングとサブスクリプションの違いについて説明いたします。

リカーリングでは、顧客が機器本体を購入し、あるいはプラットフォームと契約した上で、消耗品や従量制のサービスを追加で購入します。

例えば、先ほども説明したプリンター本体とトナーやインクなどの消耗品との組み合わせ。スマートフォンと通話・通信サービスのセット、PS4のようなゲーム機本体とゲームソフト、電気・ガス・水道の基本料金部分と使用料に応じた従量課金部分といったものが該当します。

一方、サブスクリプションは顧客がサービスを一定期間利用する権利そのものを購入する仕組みで、契約を結べば利用期間内の料金は定額に設定されていることが一般的です。

リカーリングの従量課金制のように利用の仕方に応じて月々の料金が変動するのではなく、サービスや機能、料金が異なる複数のプランが用意されています。例えばSpotifyやApple Musicといった定額制の音楽配信サービスや、HuluやNetflixといった動画配信サービスが代表的です。

食品や衣料品などを定期的に届ける定期購入モデルもサブスクリプションビジネスに含まれます。リカーリングは従量課金制と定額制の両方を含みますが、サブスクリプションは一般的に定額制の課金モデルのみを指します。

リカーリングビジネスのメリット

リカーリングビジネスのメリットについて紹介いたします。

顧客と継続的な関係性を築けること

リカーリングは継続利用が前提のため、一度契約をしてもらえばユーザーの囲い込みがしやすいのが特徴です。

サービスを利用する上で、ベースとなる本体機器やプラットフォームをユーザーがすでに利用していることで、他社に乗り換えしにくいという点も有利に働きます。

事業計画をたてやすいこと

リカーリングビジネスでは、商品・サービスごとに細かく価格設定する必要がなく一定の売上が見込めるため、契約者数や会員数という指標を設定すれば比較的シンプルに売上予測が立てられます。

また、基本的に顧客は全て自社の会員のため、売上データ以外にも属性状はじめとした幅広いデータを容易に蓄積することが可能です。

そのデータがあれば今後のサービス改善や販売戦略の立案にも役立てることができ、事業計画の精度を高めることにも繋がります。

例えば、製造分野では売上予測に基づいて購買計画や生産計画、販売計画などを策定します。

売上予測を誤れば、大量の在庫を抱えてキャッシュフローの悪化を招いたり、反対に過小在庫によって販売機会を損失したりといった事態を招きかねません。

売上予測がたてやすいこと

リカーリングビジネスは継続的な収益を得られるため売上予測がたてやすく、さらに収集したデータを需要予測やマーケティングの領域に活用できるというメリットがあります。

顧客との継続的な関係が築きやすいこと

現代は市場の成熟化とともに、従来の購買行動にインターネットを活用した情報検索というプロセスが加わり、競合他社との差別化が困難となりつつあります。

このような時代の中で競争優位性を確立するためには、いかにして顧客設定を強化し、見込み客の購買意欲を醸成するかが課題です。

そのためには、製品やサービスの機能的価値を高めるのはもちろん、継続的な顧客とのコミュニケーションによって、見込み客と良好な関係を構築し、競合他社にはない優れた顧客体験を提供する必要があります。

リカーリングビジネスはユーザーとの継続的な関係を維持しやすいため、見込み客の育成や既存顧客のロイヤルカスタマー化を促進し、顧客一人ひとりがもたらすライフタイムバリュー(顧客生涯価値)の向上に寄与します。

CPA (Cost Per Action)を高く設定できる

ビジネスにおいて売上を確保する方法には「顧客単価の向上」「リピート率の上昇」「新規顧客の獲得」などがあります。

この中で最も重要な経営課題であると同時に、最も多くのコストを要するのが新規顧客の獲得です。

現代ではオウンドメディアやSNSなど、オンライン上のチャネルを活用したWebマーケティングの重要性が高まっており、多くの企業がインターネット広告を用いて新規顧客の獲得に取り組んでいます。

そんなWebマーケティングにおいて重要な指標となるのが、広告運用における顧客1人あたりの獲得単価を示す「CPA(Cost Per Action)」です。Webマーケティングの運用効果を最大化するためには、いかにしてCPAを低く抑えるかが重要な課題です。

売り切りを基本とするフロー型とは異なり、継続的な関係構築に主眼を置くリカーリングビジネスはCPAを比較的高めに設定できるため、新規顧客の獲得に対して効率的に資金を投入できます。

「より顧客ファーストなサービス」を展開し、顧客をつかんで離さないことでどんどん利益をあげていきます。

リカーリングビジネスのデメリット

リカーリングビジネスのデメリットについて紹介いたします。

初期投資が赤字になる

リカーリングビジネスはサービスの継続的な利用を前提として事業計画を策定するため、基本的に初期投資がかさむ傾向にあります。

たとえば先述した、プリンター機器を安価で提供しインクカートリッジの販売によって利益を得るビジネスモデルの場合、莫大な初期投資が必要となるのはもちろん、投資費用を回収できないリスクがあります。

そのため、ユーザーに繰り返し選ばれる顧客体験というサービスをいかに創出するか、という視点で事業戦略を構築しなければいけません。

競合による価格競争

どのようなビジネスモデルにも言えますが、市場規模が大きく、確かな需要のある分野は競合他社がひしめくレッドオーシャンです。

注目を集めているリカーリングビジネスだからこそ新規参入も多く、結果として激しい価格競争に巻き込まれる可能性も否定できません。

資金調達手段が豊富で資本力に頼れる大企業との価格競争で勝つことは困難なため、競合他社にはない独自性をどれだけ出せるかが重要な課題です。

リカーリングの管理

リカーリングビジネスにおいて最も重要な課題の1つは、いかにしてリカーリングレベニュー(繰延収益)を最適化するか、ということです。

リカーリングレベニュー・マネジメント

リカーリングレベニュー・マネジメントは、企業で長期的に得られると予測される収益を管理することを指します。

リカーリングレベニューとは、毎月安定して得られる一定額の収益です。

通常の売上と異なり確実性が高く、収益の予測が、投資家など外部からは、企業の安定性を評価するポイントとして重要視されています。

毎月発生する膨大な請求作業など、繰延収益に関する業務は従業員の負担となるところです。

前受金管理や請求、入金消込といった業務を自動化することが有効な一手です。

求められる決済サービス

リカーリングやサブスクリプションといった継続収益を目的としたビジネスモデルを運用するには、定期的かつ確実に代金を回収するための決済システムが不可欠です。

月ごとに利用料が異なったり、従量制で課金額に変動があったりするビジネスの場合は、課金額を柔軟に設定できる決済サービスを選ぶことが大切です。

重視される経営指標や業務プロセス

重視される経営指標や業務プロセス

たとえば業務プロセスにおいては、定期的に発生する多数の請求業務を効率的に実施する必要があります。

一方、経営指標としては、契約中の顧客の何割が契約を更新したかといった、契約更新率が最重要指標となります。

顧客層・ビジネスモデルに適した決済手段

顧客層・ビジネスモデルに適した決済手段を選ぶことも重要です。利用につなげるためには、顧客が求めている決済手段が使える必要があります。

また、ビジネスモデルに合わない決済手段であれば、ユーザーと事業者双方の利便性を損なうでしょう。

第1に導入すべきはインターネット取引およびキャッシュレス決済において最も高い利用率をほこるクレジットカード決済です。

一方、クレジットカードを持たない若年層や高齢者向けには、金融機関の口座があれば利用が可能なWeb口座振替が便利です。

また、デジタルコンテンツをはじめとする少額決済のビジネスには、キャリア決済やID決済も向いています。キャリア決済はクレジットカード情報や口座情報、個人情報を入力する必要はなく、各通信キャリアのIDや暗証番号を入力すれば決済処理が完了する仕組みとなります。

カード決済やWeb口座振替に比べ決済ステップが少なく、決済時の離脱率が減少することが期待されます。

商品代金はキャリアに債権譲渡され、通信料金と合算して利用者に請求されるため、基本的に事業者が未回収のリスクを負うことがないのがメリットです。

まとめ

現代は情報通信技術の進歩に伴って製品ライフサイクルが短縮傾向にあり、顧客ニーズの多様化や市場の成熟化と相まって、競合他社との差別化が困難な時代になりつつあります。

このような時代のなかで安定的な収益構造と強固な財務基盤を構築する方法に、リカーリングレベニューの獲得に主眼を置くビジネスモデルがあります。

新しい時代に即したイノベーティブな経営体制を構築するためにもリカーリングビジネスの実践に取り組んでみてはいかがでしょうか。

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