費消と消費の違いとは?企業会計には不可欠な費消についてしっかり理解しよう!

費消と消費の違いとは?企業会計には不可欠な費消についてしっかり理解しよう!

こんにちは。「KIMERA」コンサルティングチームの花田です。

「費消」は、会計関連の話題で時々出てくる用語です。「費消」と似た言葉には「消費」があり、同じような意味だろうと推測できますが、実はこの「費消」という概念は、企業会計において重要な意味を持っています。

この記事ではまず「費消」とはどのようなものなのかについて、やさしく説明していきます。後半では、費消という考え方の背景にある企業会計の基本的な考え方についてもしっかり理解していきましょう。

費消とは?

1. 費消の意味と消費との違い

「費消」と似た言葉には「消費」があります。これらの言葉はいずれも物品を消耗したり消化したりすることを意味しており、全く同じ意味で用いられるように思えます。しかし、特に会計の分野においては両者は明確に区別されています。「消費」が単に物品を使うことに対して用いられるのに対して、会計用語としての「費消」は収益を獲得するために物品を消耗することを意味するのです。

具体例を挙げてみましょう。例えば、プライベートでメモ等のために用紙類を使用した場合は「消費」と表現します。これは私たちが日常使っている消費と同じ意味になります。これに対して、同じ用紙類でも請求書の印刷に用紙類を使用した場合は「費消」となります。この場合は、企業が収益を獲得するために物品を消耗しているからです。

通常、企業は収益を獲得するために活動していますから、企業活動において使用される物品は基本的に「費消」されていると言って良いでしょう。このように、企業会計と費消とは、密接な関係にあると言えます。

費消と消費の違い

2. 費消額の管理

例では用紙という目に見えるものを挙げましたが、会計上、費消という概念が用いられるのは物理的に存在するものに限りません。つまり、目に見えないものや形のないものであっても、収益獲得のために使用されれば費消されたことになります。このようなものは物理的にどれ位使用したのかを確認できないため、費消量を直接的に把握するのは困難です。

このような費消が物理的に確認できないものの代表が減価償却です。

減価償却とは、有形固定資産の取得原価をその耐用年数にわたって費用配分することを言います。有形固定資産には例えば自動車や機械等があります。もし、これらの資産がその使用に応じて目に見えて減少していくのであれば、その減少量を測定することで費消額を把握することができます。しかし、実際にはこれらの資産がどれくらい費消されているのかを目で見て確認することは困難です。

それでは、どのように有形固定資産の費消額を算定すれば良いでしょうか?そこで、考えられたのが定額法や定率法等、所定のルールを定めて、計画的・規則的に費消額を算定する方法です。

また、費消額を物理的に把握できないケースは、減価償却に限りません。例えば、サブスクと呼ばれるようなサービスを利用している場合にも、費消額の把握が難しい場合があります。ここで、サブスクとはサブスクリプションの略で、継続的な役務提供に係るサービスのことを言います。代表的なものに、定額での動画視聴サービスが挙げられますが、それ以外にもソフトウェアを定額で利用できるサービス等、サービスの内容は多岐に渡ります。

このようなサービスにおいて、なぜ費消の問題がでてくるかというと利用料金を前払いするケースがあるからです。利用料金を前払いした場合には、会計上、未費消分を前払費用として資産計上する必要があります。そして、サービスの利用に応じて未費消分としての前払費用から費消分としての費用へと徐々に振替えをしていく必要があります。

物理的に確認することができないサービスの利用量は、通常利用期間に応じて費消されたものとして、費用に振替えをしていくことになります。

このように、費消という概念は企業会計において重要な考え方であり、私たちが普段使う消費の概念とはかなり違っていると言えます。

このような概念が必要とされているのは、企業会計の目的のために必要だからです。

そこで、次は企業会計の目的とは何かについて具体的に見ていくことにしましょう。

企業会計とは?

1. 財務会計と管理会計

企業会計は、財務会計と管理会計に分類することができます。

財務会計とは、別名、外部報告会計とも呼ばれており、企業外部の利害関係者の意思決定に役立つ情報を提供することを目的としています。

企業を巡っては様々な立場の関係者が存在します。例えば出資者である株主をはじめ、資金の貸し手である銀行、仕入先や得意先等の取引先の他、社内で働く従業員も利害関係者となります。

また、国も税金の支払いを行う上で、企業の利害関係者であるといえるでしょう。

このような財務会計に対して、管理会計は別名、内部報告会計とも呼ばれており、企業内部のトップマネジメント等の意思決定に役立つ情報を提供することを目的としています。

意思決定に有用な情報を提供する会計ですので、利用者は経営者をはじめ、事業部長やプロジェクトの責任者等、収支管理の責任者であり、意思決定を行う権限をもっている人ということになります。

管理会計は様々な意思決定に利用されるため、決まった様式がないという特徴があります。

2. 財務会計による情報提供

上記で、企業会計が財務会計と管理会計に分類できることを説明しました。管理会計は各企業ごとに異なった内容となりますので、以下では、全ての企業に関連する財務会計について見ていきましょう。

先ほど、財務会計は企業外部の利害関係者への情報提供が目的であると説明しました。それでは、これらの利害関係者は具体的に企業のどのような情報に関心を持っているのでしょうか。

例えば、株主は企業が安定的に配当できるかどうかについて関心を持っています。また、株式の売買によって利益を挙げることを目的としている株主であれば、将来の企業利益に関心を持っているかもしれません。

一方で、企業に対する資金の貸し手である銀行は、貸し付けた資金が契約通りに返済されるかどうかに関心を持っています。つまり、企業の資産の状態に注目していると言えるでしょう。

さらに、仕入先であれば商品代金をきちんと支払ってくれるかどうか、従業員であれば給与の支払いができるかどうかに関心をもっています。

また、国も企業の納税額が適正であるかどうか確認するために、企業の利益等の情報に関心をもっています。

このように、利害関係者のニーズは一見様々ですが、共通する部分も多いことがわかります。そして、これらのニーズに応えるための情報が貸借対照表と損益計算書をはじめする財務諸表であるといえます。貸借対照表では資金の調達源泉と運用形態を明らかにすることにより企業の財政状態を明らかにし、損益計算書では適正な期間損益計算を行うことにより企業の経営成績を明らかにすることができるのです。

3. 財務会計への法規制

財務会計による情報は多くの利害関係者が利用しますので、その作成に当たっては客観的なルールが必要となります。具体的には財務会計には以下の3つの法規制があり、これらに基づいて財務諸表を作成することとなります。

(1)会社法

会社法では、株主および債権者保護を目的として配当可能利益の算定方法を規定しています。

また、すべての会社に対して営業上の財産及び損益の状況を明らかにすることを求めており、毎決算期において計算書類の作成を要請しています。

(2)金融商品取引法

金融商品取引法では、投資家保護を目的として投資判断に必要な経営成績や財政状態の開示の方法を規定しています。株式を公開している株式会社や一定額以上の有価証券を発行・募集する株式会社などの大会社を対象とし、会社法の計算書類とは別に「有価証券報告書」または「有価証券届出書」を作成して内閣総理大臣に提出することを定めています。

(3)法人税法

法人税法では、課税の公平を基本理念とする税法の規定に基づき、法人の課税所得の算定の方法を規定しています。その計算手続きは計算書類(会社法)によって確定した決算をもとに税法特有の調整を行って算定します。

企業会計原則とは?

上記で、法規制による財務会計には、会社法による会計と金融商品取引法による会計と税法による会計の3つの領域があることを説明しました。これらは、完全に別々のものというわけではなく、相互に関係しています。これらの会計は、「企業会計原則」を共通の考え方としているのです。近年では、上場企業向けに様々な会計基準が公表されていますが、上場していない中小企業等にとっては依然として、この企業会計原則が重要な指針となっています。

そこで、以下では全ての企業における会計の基本となる企業会計原則についてみていきましょう。

企業会計原則とは、企業が財務諸表を作成する際に守るべき原則のことであり、企業会計の実務において慣習として発達したものの中から、一般に公正・妥当と認められる基準を要約したものです。

企業会計原則は一般原則、損益計算書原則、貸借対照表原則により構成されており、この中において一般原則は他の2つの原則の上位に位置付けられています。

一般原則は、具体的には以下の7つの原則から成ります。

(1)真実性の原則

条文「企業会計は、企業の財政状態及び経営成績に関して、真実な報告を提供するものでなければならない。」

財務諸表は「記録と慣習と判断の総合的表現」と言われることがあります。つまり、財務諸表を作成する際には、さまざまな会計処理や手続の中からどの処理を適用するかを選択する余地があるため、経営者の判断が介入することになるのです。

したがって、主観的な見積もりを回避することができないことから、ここで求められている真実性というのは唯一絶対のものではありません。あくまで合理的な判断に基づいた、相対的な真実性が求められているといえます。

(2)正規の簿記の原則

条文「企業会計は、すべての取引につき、正規の簿記の原則に従って、正確な会計帳簿を作成しなければならない。」

正確な会計帳簿とは網羅性、検証可能性、秩序性の3つを備えた会計帳簿のことを言います。これらの要件を満たすのは現金の増減のみを記録するような単式簿記ではなく、取引を2面的に記録していく複式簿記となります。

(3)資本取引・損益取引区分の原則

条文「資本取引と損益取引とを明瞭に区別し、特に資本剰余金と利益剰余金とを混同してはならない。」

ここで、資本取引というのは、出資や減資等、資本金を増減させる取引であり、損益取引は収益・費用が発生する取引のことです。これらを明瞭に区別することによって、資本の増減を除いた本来の営業活動による取引を把握することができ、適正な期間損益計算を行うことができます。

また、維持すべき資本と配当可能な利益を区別するために、資本剰余金と利益剰余金を混同しないよう求めています。

(4)明瞭性の原則

条文「企業会計は、財務諸表によって、利害関係者に対し必要な会計事実を明瞭に表示し、企業の状況に関する判断を誤らせないようにしなければならない。」

この条文では、会計処理そのものではなく、財務諸表をわかりやすい様式で表示することを求めています。例えば、財務諸表を区分表示することによって財務諸表の概観性に考慮することや、重要な会計方針、重要な後発事象等を財務諸表に付随する注記として開示することによって、財務諸表の利用者が企業の状況に関する判断を誤らないようにすることを求めていると言えます。

(5)継続性の原則

条文「企業会計は、その処理の原則及び手続を毎期継続して適用し、みだりにこれを変更してはならない。」

財務諸表の期間比較性を確保する原則です。例えば、毎期の財務諸表を作成する際、毎回違う会計処理の方法を採用していると、財務諸表同士の比較をするのが困難となります。会計処理の方法を原則として変更しないように要請することで、経営者による恣意的な利益操作を排除しているのです。

(6)保守主義の原則

条文「企業の財政に不利な影響を及ぼす可能性がある場合には、これに備えて適当に健全な会計処理をしなければならない。」

端的に言えば、予想の損失は計上するが、予想の利益は計上しないという考え方です。予想の利益を計上すると粉飾決算の原因となり、財務諸表の利用者の判断を誤らせることにもつながります。このようなことを防止するための原則であると言えます。

しかし、過度の保守主義は、企業の財政状態及び経営成績の真実な報告をゆがめることとなるため、認められません。

(7)単一性の原則

条文「株主総会提出のため、信用目的のため、租税目的のため等種々の目的のために異なる形式の財務諸表を作成する必要がある場合、それらの内容は、信頼しうる会計記録に基づいて作成されたものであって、政策の考慮のために事実の真実な表示をゆがめてはならない。」

先にも述べたように、企業は、会社法、金融商品取引法、税法等、複数の法律に基づき財務諸表を作成する必要があります。

これらの財務諸表は形式が異なっていたとしても、単一の会計帳簿に基づいて作成されたものでなければならないとする原則です。

まとめ

以上、「費消」という言葉の意味から、企業会計の内容まで説明してきました。

企業会計は、財務諸表によって多様な利害関係者のニーズに応えることを目的としています。そして、費消という概念は、このような企業会計の目的の1つである、適正な期間損益計算を行うために必須の考え方となっています。

したがって、私たちが当然のように行っている減価償却や前払費用の整理も、企業会計の目的に即したものであると言えます。財務諸表の利用者のニーズに適切に応えられるよう、適切な会計整理を行っていきましょう。

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