未払金とは?仕訳例による処理方法と混同しやすい未払費用との使い分けを解説!

未払金とは?仕訳例による処理方法と混同しやすい未払費用との使い分けを解説!

こんにちは。「KIMERA」コンサルティングチームの花田です。

「未払金」は、貸借対照表の負債の部に表示される勘定科目です。モノやサービスの提供は受けたものの、支払いが未完了の際に計上します。

科目の名前や用途が似ている科目に「未払費用」や「買掛金」がありますが、混同して使用されているケースがよくみられます。これらの科目は、どのように用いるとよいのでしょうか。

この記事では、仕訳例をまじえた未払金の処理方法、混同しやすい科目との見分け方などを解説していきます。

未払金とは

ここでは、未払金の会計上の取り扱いや、どのような取引で使うかを説明します。

未払金の概要

固定資産・消耗品を購入したときや、サービスの提供は受けたものの代金が未払いであるときに計上するのが「未払金」です。

「モノやサービスの提供はすでに受けているが、後日代金を支払わなければならない」ため、貸借対照表では負債の部に分類されます。未払金が増加した際は貸方に仕訳し、減少した場合は借方で処理をします。

未払金はどのような取引で使う?

未払金は、「一時点(単発)で完了する取引」で、「営業活動(本業)に関連のない取引」を行った際に使用します。たとえば、備品の購入や事務作業で使う文房具、出張旅費などです。

一方、本業にかかわる仕入を行い、代金を後日支払うこととした場合は「買掛金」を使用します。未払金と買掛金は経営管理の観点から、明確に分類することが重要です。また、混同されがちな科目には「未払費用」もあります。

なお、未払費用や買掛金との違いについては後述します。

1年超は「長期未払金」にする

1年超の未払金は「長期未払金」にする

会計には、「ワンイヤールール(1年基準)」という決まりごとがあります。「貸借対照表の科目は、決算日の翌日から計算して、1年以内に支払期限が到来するものは流動資産・流動負債とし、1年超の支払期限をもつものは固定資産・固定負債とする」としたものです。

未払金も、ワンイヤールールに準拠した取り扱いが必要です。支払期限が1年以内のものは、流動負債の「未払金」、1年超のものは固定負債の「長期未払金」として、貸借対照表に計上しなければなりません。

1年超の返済期間をもつ未払金は、発生の機会は少ないと思われますが、長期未払金で仕訳が必要な取引があった場合は、忘れずに処理しましょう。

未払金の処理方法

この項目では、未払金や長期未払金が発生したときと、解消したときの処理方法について、仕訳例をまじえて紹介します。

未払金の発生と解消

未払金が発生した際は、以下のように仕訳をします。

例1:事務用品(文房具)を50,000円購入し、代金は後日支払うこととした。

借方貸方
科目金額科目金額
消耗品費50,000未払金50,000

事務用品を購入して消耗品費(借方)で処理し、代金は後日支払うことから、未払金を負債(貸方)に計上した仕訳です。

なお、消耗品費は、少額の備品を計上するときに使う勘定科目です。購入した物品により、固定資産に計上することがありますが、今回の例では文房具を購入しているため、勘定科目は消耗品費で処理します。

続いては、未払金を解消(支払い)したときの仕訳例です。

例2:例1の事務用品代について、支払日が到来したため普通預金から支払った。

借方貸方
科目金額科目金額
未払金50,000普通預金50,000

未払金に計上していた、事務用品代の支払日が到来した際の処理です。負債である未払金を減少させるため、借方に仕訳して、同時に資産科目である普通預金を減少させます。

長期未払金の発生と解消

長期未払金が発生した場合は、以下のように仕訳をします。

例3:機械装置3,000,000円を購入し、代金は5回に分割して支払うこととした(支払いは年1回)。

借方貸方
科目金額科目金額
機械装置3,000,000長期未払金3,000,000

3,000,000円の機械装置(資産)を購入し、代金は5回に分けて支払うこととした仕訳です。支払いは年1回で、完済までに5年間要することから、長期未払金として処理します。

長期未払金が解消された場合は、以下の仕訳をします。

例4:例3の購入代金について、1回目の支払日が到来したため、普通預金から支払った。

借方貸方
科目金額科目金額
長期未払金600,000普通預金600,000

※3,000,000円÷5回=600,000円

例3で購入した機械装置代金の支払日が到来したため、600,000円(3,000,000円÷5回)を支払った仕訳です。

なお、上記の仕訳では省略していますが、1年以内に支払日が到来する部分については、長期未払金から未払金に振り替える必要があります。

未払費用との違いは?

未払金と混同される科目のひとつに、「未払費用」がよくあげられます。ここでは、未払費用の用途や計上するタイミング、未払金との見分け方について説明します。

未払費用とは

未払費用は、貸借対照表上では流動負債に表示される勘定科目です。当期に計上するべき費用の支払いが次期以降になる際に使用します。

未払費用は「経過勘定項目」と呼ばれ、決算整理事項として処理します。したがって、基本的に未払費用は期中の仕訳で発生しません。なお、経過勘定項目とは、収益や費用の計上タイミングを修正するための科目で、未払費用のほかには「前払費用」、「未収収益」、「前受収益」があります。

また、企業会計原則では、未払費用を以下のように定義しています。

〔注5〕経過勘定項目について(損益計算書原則一のAの二項) (3) 未払費用   未払費用は、一定の契約に従い、継続して役務の提供を受ける場合、すでに提供された役務に対して、いまだその対価の支払が終らないものをいう。従って、このような役務に対する対価は、時間の経過に伴いすでに当期の費用として発生しているものであるから、これを当期の損益計算に計上するとともに貸借対照表の負債の部に計上しなければならない。また、未払費用は、かかる役務提供契約以外の契約等による未払金とは区別しなければならない。

ここで注目したいのが、「一定の契約に従い、継続して役務の提供を受ける場合」の部分です。「継続して役務の提供を受ける」とは、一時点で取引が終了するのではなく、一定期間にわたってサービスなどを受けることをあらわしているのです。

また、「すでに提供された役務に対して、いまだその対価の支払が終らないものをいう。」の部分は、「サービスなどの提供は受けているものの、債務の支払日は到来していない(支払額が未確定)」と読みかえることができます。

したがって、未払費用は、以下の条件を満たす際に計上する科目であるといえます。

  • 契約に従い、継続的に(一定期間にわたって)サービスなどを受けている
  • 債務の支払日が未到来である

具体的には、建物や土地の賃借料(賃貸借契約)、保険料(保険契約)、給料(雇用契約)などが該当します。

未払費用の仕訳

ここからは、設例を使って未払費用の仕訳例を紹介します。未払金の仕訳との違いも確認してみてください。

下記設例のように、継続的なサービスを受けており、かつ、代金の支払いが次期になる場合、期末日までに提供された部分は未払費用を計上して、当期の費用とします。

設例:X2年3月31日(期末日)になり、X1年7月1日に締結した12か月分の土地賃借契約(30,000円/月)について、決算整理仕訳を行う。なお、賃借料は契約終了時(X2年6月30日)に支払うこととしている。

設例では、X1年7月1日からX2年6月30日までの12か月間、土地を賃借する契約を結んでいます。また、代金の支払日はX2年6月30日であることから、期末日時点で「継続的な契約」かつ「債務の支払日が未到来」です。よって、未払費用を計上します。

期末日はX2年3月31日ですので、7月から3月末までの「当期に計上するべき費用」と、4月から6月末までの「次期に計上するべき費用」を、以下の図のように分けなければなりません。

この設例を仕訳であらわすと、以下のようになります。

例5-1(X2年3月31日):土地賃借料のうち、当期に属する9か月分を計上する。

借方貸方
科目金額科目金額
地代家賃270,000未払費用270,000

※360,000×9か月/12か月=270,000円

土地賃借料である360,000円はX2年度に支払いますが、X1年度中ですでに9か月間使用しているため、使用期間分の費用を計上します。この仕訳によって、9か月分の費用(270,000円)がX1年度の会計に反映されたことになります。

例5-2(X2年4月1日):例5-1で計上した地代家賃を振り戻す。

借方貸方
科目金額科目金額
未払費用270,000地代家賃270,000

X1年度の期末日に計上した土地賃借料は、翌期首に振り戻します。費用の二重計上を防ぐための仕訳です。

例5-3(X2年6月30日):土地賃借料の支払日となったため、普通預金から支払った。

借方貸方
科目金額科目金額
地代家賃360,000普通預金360,000

土地賃借料の支払日が到来したため、契約に従って360,000円を普通預金から支出します。例5-2の地代家賃と相殺され、最終的に、X2年度の地代家賃には90,000円(3か月分)が計上されます。

未払費用と未払金の見分け方

未払費用と未払金はいずれも、サービスなどの代金が未払いのときに使用する勘定科目です。これらの科目を正確に見分けるためには、以下の表で示した点に注意します。

未払費用と未払金の違い


未払費用未払金
取引の内容継続的な契約(取引)であるある一時点で契約(取引)が終了する
取引の状態未完了 (債務が未確定で、継続してサービス等の提供を受けている)完了 (債務が確定している)
計上時期期末(決算整理事項)期中

未払費用の特徴として、「継続的な契約を結んでいる」ことと、「計上時点において、継続してサービスを受けている(債務の金額が未確定である)」ことがあげられます。一方、未払金は、「ある一時点で取引が終了すること」、「取引が完了しており、債務の金額が確定していること」が特徴です。これらの違いに注意して仕訳をしましょう。

また、前述のとおり、基本的には未払費用は決算整理事項として処理され、未払金は日常的な会計仕訳のなかでよく使われます。

なお、小規模な事業者では、未払費用と未払金を同一の科目で仕訳し、使い分けていないこともあります。しかし、両者は科目の性質や計上する時期が異なるため、可能であれば分けて経理をした方がミスは少なくなるでしょう。

買掛金との違いは?

未払費用のほかによく混同される勘定科目として、「買掛金」があげられます。買掛金も負債科目で、用途も似ているため、どのように見分ければよいのか判断が難しいことも多々あるようです。この項目では、買掛金と未払金の違いを解説します。

買掛金との見分け方

買掛金は、「自社の営業活動(本業)の仕入」にかかる取引を行った際に使う勘定科目です。貸借対照表上は、未払金と同じ「負債の部」に表示されるため、混同しがちな科目でもあります。以下の表に、両者の違いをまとめたため、確認しておきましょう。

買掛金と未払金の違い


買掛金未払金
貸借対照表上の表示負債負債
計上理由営業活動で発生した債務(仕入れなど)営業活動「以外」で発生した債務
具体例商品・原材料の仕入など消耗品や固定資産、外注費、未払いの税金など

買掛金と未払金は、双方ともに、貸借対照表では負債の部に表示されます。表で説明しているとおり、買掛金は、仕入れなどの営業活動(本業)で発生した債務に使います。なお、本業に関連がある水道光熱費や広告宣伝費であっても、「仕入れ」ではないため未払金で処理するのが一般的です。

なお、未払金と買掛金を分類せずに仕訳してしまうと、以下のような問題点が発生します。

  • 資金繰りに影響を及ぼす
  • 債務の返済漏れが発生する

未払金と買掛金を同じ科目で管理していた場合、買掛金台帳が作成できないため、取引先への債務額や支払いのタイミングが把握できなくなる可能性があります。自社の資金繰りに影響を及ぼすこともあるでしょう。

また、支払期日をうっかり忘れてしまい、返済漏れが発生した場合は、自社の信頼を落とすことにもつながります。

まとめ

負債科目「未払金」の概要と処理方法、類似している「未払費用」、「買掛金」との違いを解説しました。未払金は、モノの購入やサービスの提供を受けたものの、代金が未払いの際に計上する科目です。

混同しやすい科目の未払費用や買掛金は、「代金が未払い」というシチュエーションは共通していますが、「継続的な契約で、サービスを受けている最中」である場合は未払費用、「営業活動に関連する取引」は買掛金で処理します。とくに、未払費用と未払金は紛らわしいため、違いを覚えておくとよいでしょう。

なお、この記事で紹介した仕訳は、あくまで基本的な内容です。実務では、自社の経理規程や慣行に基づいて、正確に処理をしましょう。

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