【パターン別】過入金が発生したらどうする?仕訳方法を解説!

【パターン別】過入金が発生したらどうする?仕訳方法を解説!

こんにちは。「KIMERA」コンサルティングチームの花田です。

請求した金額よりも、代金が多く入金される「過入金」は、経理担当者の皆さまであれば一度は遭遇したことがあるのではないでしょうか。日常的な会計処理では発生が想定されていないため、どのように仕訳をしようか、困ったこともあるかと思います。

とくに、サブスクリプションビジネスでは、プランを豊富に用意しており、契約期間中に内容が変更されることが多々あります。さらに、契約数増をねらったキャンペーンなども開催しているため、過入金が発生しやすいといえるでしょう。そこで、この記事では、過入金が発生したときの仕訳方法を、想定されるパターン別に紹介していきます。

過入金とは

過入金とは、どのような状態を指すのでしょうか。ここでは過入金という言葉の意味を簡単に解説していきます。

過入金の概要

過入金とは、請求した代金よりも多く入金されることをいいます。また、自社側が取引先に多く入金してしまうことも、同じく過入金といいます。過入金は多くの会社において発生するため、経理担当者の皆さまも遭遇したことがあるのではないでしょうか。

とくに、サブスクリプションビジネスを営んでいる会社では、過入金されることが発生しがちです。その原因は、以下があげられます。

  • キャンペーン特別価格等の適用
  • 契約期間中のプラン変更による請求金額の変動
  • 社内の情報共有ができていない
  • 単純に取引先が多い

サブスクリプションビジネスは、契約期間中にプランが変更されることにより、請求金額が変わることがあります。また、キャンペーンなどの実施により、割引価格でサービスを提供することも多くあるでしょう。たとえば、毎月同額を支払っている取引先が、キャンペーンなどで割引価格となったことを失念し、通常月の請求額を振り込んだ際、過入金となります。

さらに、営業部署と経理部署で、取引先の契約内容やキャンペーン実施の情報共有ができていないと、「営業部署では契約変更を把握しているのに、経理部署では契約変更前の価格で請求してしまう」ということが発生します。その結果、本来の請求額と入金額にズレが生じ、過入金となるのです。

では、過入金があった際、どのように対処すればよいでしょうか。まずは会計上の考え方を説明していきます。

基本的には「仮受金」や「仮払金」で処理

加入金があった場合の基本的な対応

「仮受金」は、入金があったものの内容が不明の場合、一時的に使用する負債科目です。また、「仮払金」は仮受金の反対の意味で使われる資産科目で、出金をしたものの勘定科目が未確定の場合、一時的に使用します。

基本的に、過入金された際は仮受金で処理をして、過入金してしまった際は仮払金で仕訳します。なんらかのミスで過入金となったため、あくまで「仮」の入出金であるという考え方です。

仕訳は8パターン

過入金の仕訳は、主に下記の4パターンに分けられます。

  • 全額返金する
  • 一部返金する
  • 次回請求分にする
  • 損益に振り替える

さらに過入金「した」・「された」の2パターンをかけあわせ、合計で8パターンとなります。以下の項目では、過入金された場合と、過入金した場合の仕訳例を紹介していきます。

過入金「された」場合の仕訳

ここでは、取引先から過入金「された」場合の仕訳をパターン別で紹介していきます。なお、ここで例示する仕訳では、過入金を「仮受金」で処理していますが、あくまで一例のため、実務では自社の経理規程などにあわせて処理を行いましょう。

パターン1:入金額を全額返金する

前提:X社から、サービス提供の代金として100,000円が振り込まれたが、当社からの請求額は50,000円であった。過入金分は、仮受金として処理する。

借方貸方
科目金額科目金額
現金預金100,000売上50,000


仮受金50,000

仕訳例1:X社からの入金額は誤りであったため、100,000円を全額返金した。なお、振込手数料440円はX社負担とする。

借方貸方
科目金額科目金額
売上50,000現金預金99,560
仮受金50,000現金預金440

上記の仕訳では、振り込まれた金額を全額返金しています。なお、振込手数料は先方(X社)負担としているため、費用は発生しません。なお、当社で振込手数料を負担する場合は、「支払手数料」などの費用科目で処理します。

パターン2:過入金分だけ返金する

前提:X社から、サービス提供の代金として100,000円が振り込まれたが、当社からの請求額は50,000円であった。過入金分は、仮受金として処理する。

借方貸方
科目金額科目金額
現金預金100,000売上50,000


仮受金50,000

仕訳例2:X社に対して誤入金分を返金した。なお、振込手数料440円は先方負担とする。

借方貸方
科目金額科目金額
仮受金50,000現金預金49,560


現金預金440

上記の仕訳は、誤入金された分だけを返金しています。当初請求していた50,000円については、すでに売上計上しているため、仕訳をする必要はありません。

パターン3:次回の請求分にあてる

前提:X社から、サービス提供の代金として100,000円が振り込まれたが、当社からの請求額は50,000円であった。過入金分は、仮受金として処理する。

借方貸方
科目金額科目金額
現金預金100,000売上50,000


仮受金50,000

仕訳例3-1:X社からの誤入金分は、同社との協議の結果、次回請求分(50,000円)にあてることとした。

借方貸方
科目金額科目金額
仮受金50,000前受金50,000

誤入金分を次回請求分の支払いとすることになりましたので、仮受金から前受金に振り替えます。ここで計上した前受金は、仕訳3-2でサービスの提供が完了した際に消込します。

仕訳例3-2:仕訳例3-1での過入金分について、サービス提供が完了したため売上計上する。

借方貸方
科目金額科目金額
前受金50,000売上50,000

パターン4:入金額を収益にする

前提:X社から、サービス提供の代金として30,440円が振り込まれたが、当社からの請求額は30,000円であった。過入金分は、仮受金として処理する。

借方貸方
科目金額科目金額
現金預金30,440売上30,000


仮受金440

上記は、サービス代金が振り込まれましたが、振込手数料分(440円)が多く入金されたケースです。

仕訳例4:X社との協議の結果、過入金は返金せず、当社の収益とすることとした。

借方貸方
科目金額科目金額
仮受金440雑収入440

特殊なケースですが、事務処理の手間を考慮して、少額であれば返金せずに収益とすることもあります。雑収入など、適切な科目に振り替えましょう。

過入金「してしまった」場合の対応

前の項目では、過入金された場合の仕訳を説明しましたが、ここからは、自社側が過入金「してしまった」際の仕訳を紹介していきます。過入金された際と逆のイメージで仕訳をすると、理解しやすくなります。なお、過入金分の金額は「仮払金」で処理します。

パターン1:出金額を全額返金してもらう

前提:Y社にサービス料60,000円を支払ったが、請求額は30,000円であった。過入金分は、仮払金として処理する。

借方貸方
科目金額科目金額
支払サービス料30,000現金預金60,000
仮払金30,000

仕訳例5:当社からY社に対する入金額が全額返金された。なお、振込手数料(440円)は、当社負担とする。

借方貸方
科目金額科目金額
現金預金59,560支払サービス料30,000
支払手数料440仮払金30,000

パターン2:過出金分だけ返金してもらう

前提:Y社にサービス料60,000円を支払ったが、請求額は30,000円であった。過入金分は、仮払金として処理する。

借方貸方
科目金額科目金額
支払サービス料30,000現金預金60,000
仮払金30,000

仕訳例6:Y社に対する入金額のうち、過入金分が返金された。なお、振込手数料(440円)は当社負担とする。

借方貸方
科目金額科目金額
現金預金29,560仮払金30,000
支払手数料440

パターン3:次回の支払分にあててもらう

前提:Y社にサービス料60,000円を支払ったが、請求された額は30,000円であった。過入金分は、仮払金として処理する。

借方貸方
科目金額科目金額
支払サービス料30,000現金預金60,000
仮払金30,000

仕訳例7-1:Y社に対する過入金額は、同社との協議の結果、次回請求分にあてることとした。

借方貸方
科目金額科目金額
前払金30,000仮払金30,000

過入金してしまった金額を次回の請求分にあてる場合、仮払金から前払金に振り替えます。サービスの利用期間が満了した時点で費用計上します。

仕訳例7-2:仕訳例7-1のサービス利用期間が終了したため、利用代金を費用計上する。

借方貸方
科目金額科目金額
支払手数料30,000前払金30,000

パターン4:出金額を費用にする

前提:Y社にサービス料30,440円を支払ったが、請求された額は30,000円であった。過入金分は、仮払金として処理する。

借方貸方
科目金額科目金額
支払サービス料30,000現金預金30,440
仮払金440

仕訳例8:Y社との協議の結果、過入金分は当社の費用にすることとした。

借方貸方
科目金額科目金額
支払手数料440仮受金440

過入金された場合の仕訳と同様、過入金が少額であったため、返金を不要とする仕訳です。当社が多く支払いをしてしまったため、過払い分は費用計上します。

会計以外の対応

さて、ここまでは過入金があった際の会計処理を解説しましたが、実際に発生したら、取引先にはどのように対応すればよいのでしょうか。

取引先に連絡

過入金を発見したら、すみやかに取引先に連絡をしましょう。過入金した金額をどのように処理するか協議します。

原因の特定

取引先の単純なミスであれば、自社側で対応する必要はありません。しかし、自社が作成した請求書の内容が不明瞭であったことや請求金額の連絡不行き届き、情報共有の不足による請求額の間違いが原因であれば、対策を講じる必要が出てきます。再発防止のためにも、発生原因は特定しておくことをおすすめします。

請求書の修正も忘れずに

自社で作成した請求書に不備があり、過入金されてしまった際は、必ず修正して取引先に送付するようにします。なお、請求書の修正と送付は迅速に行いましょう。時間をかけすぎると、取引先からの信頼が損なわれてしまう可能性があります。

過入金のリスクを減らすには?

過入金は、自社・取引先の双方が原因になるため、完全になくすことはできません。発生すると事務処理の手間がかかるので、経理スタッフの負担になります。とくに、サブスクリプションビジネスは契約件数が多くなりがちで、料金体系も複雑なことから、過入金が発生しやすいといえます。

また、過入金を見逃してしまうと、出所不明の入金額が発生してしまいます。このようなリスクは可能な限り避けたいものです。

そこでおすすめしたいのが、顧客データ管理や請求、消込まで対応できる、請求管理システムを使用することです。以下では、サブスクリプションビジネスに特化したシステムのメリットをご紹介します。

過入金を一目でチェック可能

サブスクリプションビジネス向けのシステムでは、前受金や売掛金の自動消込機能が備えられています。この機能は、口座名や請求金額、入金された金額を照合し、一致した場合に自動で消込する仕組みです。

仮に過入金があった場合、自動で消込がされないため、簡単に目視でチェックができます。入金のエラーを迅速に発見できるため、リスクを減らせるでしょう。

情報共有も容易に

過入金の発生原因のひとつに、「情報共有ができていない」ことがあげられます。たとえば、営業部署では契約変更を把握しているのに、請求書を発行する経理部署に情報が伝わっておらず、変更前の金額で請求をしてしまった際に起こります。

サブスクリプションビジネスでは、契約内容の変更はよくある事務処理です。よって、情報共有ができていないと、過入金も起こりやすくなるのです。

システムには、顧客のステータスを記録できる機能があるため、営業部署と経理部署の情報共有が容易にできます。複数人が請求業務にかかわるためチェック機能が働き、請求金額のミスを減らせるでしょう。

まとめ

今回の記事は、過入金の概要と、発生した際の仕訳例を紹介しました。過入金された際は「仮受金」、過入金した際は「仮払金」で処理するのが基本です。ある程度パターン化できますので、仕訳は難しくありません。過入金を見つけた際は、焦らず対応しましょう。

ビジネスは、人間同士が行っているため、うっかり多く入金してしまう過入金の発生は避けられません。とくに、サブスクリプションビジネスでは契約形態が複雑になるため、発生頻度も高くなると思われます。自社のチェック機能が手薄の場合、見逃してしまうリスクもあるでしょう。

このようなリスクを減らしたい経営者や経理担当者の皆さまは、システムの導入を検討してみてください。過入金のほか、さまざまな業務効率化も実現できるでしょう。

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