預り金とは?仕訳の具体例と勘定科目を解説!残高管理の方法も

預り金とは?仕訳の具体例と勘定科目を解説!残高管理の方法も

こんにちは。「KIMERA」コンサルティングチームの花田です。

預り金とは、従業員等から一時的に預かったお金を計上する勘定科目です。例えば従業員に給料を支給する際には所得税が源泉徴収されますが、このとき会社側では預り金として仕訳をします。このように預かった所得税を会社がまとめて国に納付することによって、預り金から消去されます。

預り金には源泉徴収以外にもさまざまなものが計上されており、紛らわしい勘定科目も存在しますのでこの記事では具体例を挙げながら分かりやすく解説します。

預り金の具体例

冒頭では、預り金の代表例として所得税の源泉徴収を挙げました。

預り金にはこのように経常的に発生するものだけでなく、臨時的、突発的に発生するものもあります。例えば、取引先が誤って請求額以上の金額を振込みしてきたことによる過入金がその典型です。日常的に生じる取引は問題なく処理できていても、このように突発的に発生した取引については、その仕訳に困ってしまうかもしれません。

以下ではこの過入金を例として、具体的な処理方法をみていきましょう。

1.通常の取引

例えば得意先への売上が100円発生したとします。この場合の仕訳は以下の通りです。
なお、内容をわかりやすくするため、消費税は税込経理方式とします。

① (借方)売掛金100円 (貸方) 売上100円

次に、翌月に売上代金として100円が振込まれたとします。この場合の仕訳は以下の通りとなり、売掛金残高が0円となって取引が完結します。

② (借方)預金100円  (貸方) 売掛金100円 ※売掛金残高0円

2.過入金が発生した場合

これに対して、②の振込みの際に得意先が誤って110円を入金してきた場合はどうなるでしょうか。

この場合、入金額と売上代金の差額である過入金部分が預り金となります。仕訳は以下の通りです。

③ (借方)預金110円  (貸方)売掛金100円 ※売掛金残高0円
                 (貸方)預り金10円  ※預り金残高10円

売掛金の残高は0円となりますが、新たに預り金が発生することとなります。発生した預り金は得意先への返金によって以下の通り、消去されることとなります。

④ (借方)預り金10円  (貸方)預金10円 ※預り金残高0円

以上が過入金が発生した場合の仕訳となります。

得意先からの過入金というのは日常的に発生する取引ではないため、いざ発生したときに戸惑ってしまいがちです。取引先から返金の依頼があったときは、返金する金額や返金先の銀行口座を書面等で明確にしてもらうようにしましょう。なぜなら、口頭でのやり取りで対応していると、金額や返金先を誤ってしまう可能性があるからです。また、書面として残しておくことで、後から振り返ったときにも返金の経緯を明らかにすることができます。

預り金と似ている勘定科目

預り金の概要についてイメージを持っていただけたと思いますので、以下では他の勘定科目との違いをみることによって、さらに理解を深めていきましょう。

1.預り金と前受金の違い

前節では過入金となった金額を返金する例を紹介しましたが、得意先と継続的に取引がある場合は、次回の売上代金に充当するという選択をすることもできます。返金すると振込手数料がかかってしまうため、今後も取引を予定している場合には、返金せずに次回の売上代金に充当するほうが合理的な場合も多いでしょう。
この場合、上記③の仕訳は以下の通りとなります。

⑤ (借方)預金110円  (貸方)売掛金100円
                 (貸方)前受金10円

③の仕訳との違いは「預り金」の勘定科目が「前受金」に変わっている点です。

それでは、「預り金」と「前受金」の違いは何でしょうか?上記の例からも明らかなように、どちらもお金を受領している点では同じです。最大の違いは、預り金はいずれ社外へ支払いする必要があるのに対し、前受金は支払いせずに売上代金等に充当される点です。つまり、預り金は自社の収入になりませんが、前受金は自社の収入になることが予定されていると言えるでしょう。

2.預り金と仮受金の違い

その他に預り金と似ている勘定科目に仮受金があります。預り金と仮受金はどちらもお金を受領している点で同じですが、預り金が社外への支払いが決まっているものであるのに対し、仮受金はまだその入金をどのように取り扱うかが決まっていない点で異なります。つまり仮受金は勘定科目の名称どおり、まさに「仮」の状態ということになります。

例えば、得意先からの振込みがあった場合にとりあえず仮受金で仕訳しておき、内容を確認した結果、売上代金であることが明らかになったとしましょう。この場合には売掛金の消込(売上代金が未計上であれば前受金)として仕訳することになります。また、売上代金でなく単なる誤入金であった場合には、預り金として返金することとなります。

また、どうしても仮受金の内容がわからない場合には、とりあえず仮受金のまま残しておき、該当する科目が判明したら、その科目に振替することとなります。

1つ、具体例を挙げてみましょう。

得意先から100円の入金があったものの、何の入金なのかわからなかったとします。

その場合には、以下の仕訳をします。

⑥ (借方)預金100円  (貸方)仮受金100円 ※仮受金残高100円

このように仕訳しておくことで、入金の内容がわからない状態でも、とりあえず預金の勘定残高を実際の金額と一致させることができます。

その後、仮受金の内容を確認した結果、誤入金であると判明したとします。

この場合には、仮受金を預り金に振替することとなります。

⑦ (借方)仮受金100円  (貸方)預り金100円 ※仮受金残高0円

上記のように仮受金の科目が解決されることによって残高が0円となります。逆に、もし決算時に仮受金の残高がある場合には、不明な入金が残っているということなので早急に解決する必要があります。特に年度をまたぐ場合には、仮受金のまま決算を確定してしまうことがないよう注意しましょう。

以上、預り金と前受金、仮受金との違いについて説明してきました。これらの項目は、いずれも貸借対照表上、負債の部に表示されます。負債の部には株主以外から調達した資金を記載しますので、返金の有無にかかわらず負債の部に記載されることとなるのです。

負債の部は、さらに流動負債と固定負債に分類されます。流動負債には1年以内に支出・充当等により消去される科目が記載され、固定負債には1年を超えて残高が残るものが記載されることとなります。預り金、前受金、仮受金はいずれも通常、1年以内に返金、充当されるため、流動負債に記載されることとなります。ただし、前受金については、充当されるまでの期間が1年超となる場合、長期前受金として固定負債に記載することとなります。

3.預り金と立替金の違い

最後に、もう1つ紛らわしい勘定科目を紹介しておきます。それは立替金です。

立替金は、従業員等が負担すべき金額を会社が立替えして支払った場合に発生する科目です。貸借対照表上は、資産の部に記載される項目となります。

立替金は従業員等の負担分を計上する科目である点で預り金と同様の性質を持っています。しかし、会社の立場から見た場合、従業員等からのお金の受領が先行するときは預り金として処理し、会社からの支払いが先行するときは立替金として処理する点で異なることとなります。

以下で、具体例をみてみましょう。所得税の源泉徴収のケースです。

<預り金が発生する場合>

給料の支給総額が100円で、源泉徴収額10円を控除して従業員に支払ったとします。

この場合、以下のような仕訳となります。

⑧ (借方)給料100円  (貸方)預金90円
                 (貸方)預り金10円 ※預り金残高10円

さらに、預かった所得税を会社が納付する場合の仕訳は以下の通りです。

⑨ (借方)預り金10円  (貸方)預金10円 ※預り金残高0円

<立替金が発生する場合>

上記に対して、給料支給時に源泉徴収額の控除を失念し、支給額全額を支払ってしまったとしましょう。その場合の仕訳は以下の通りとなります。

⑩ (借方)給料100円  (貸方)預金100円

上記の仕訳では預り金が発生しないこととなります。
しかし、会社は所得税相当額を納付しなければならないため、以下のように立替金が発生することとなるのです。

⑪ (借方)立替金10円  (貸方)預金10円

発生した立替金は、翌月に従業員に給与を支払う際に控除することで消去されることとなります。

預り金が発生した場合の入金消込

以上、預り金と似ている勘定科目との違いについて解説してきました。

預り金が売上代金の過入金によるものである場合には、入金消込にも注意が必要です。返金する場合は売掛金の消し込みには使用しないため、売上代金とは関係のない入金となります。したがって、入金処理をする際に誤って消込に使用しないよう注意する必要があります。特に、過入金の場合には、振込金額の一部を入金消込として使用し、残額を預り金として計上するという複雑な処理となりますので、注意が必要です。

また、返金せずに売上代金に充当する場合には前受金が発生することとなります。前受金として処理した場合には、充当する売掛金が計上されるまでの間、管理し続ける必要があります。前受金は請求書等、外部からの証拠書類に基づいて増減させるものではなく社内で管理していくものとなりますので、慎重に管理していくことが求められます。特に対象となる売上の計上が数か月後となる等、相当の期間がある場合には、充当を失念しないよう注意する必要があるでしょう。

前受金の管理については、エクセル等のアプリを使用して管理していることが多いと思いますが、販売管理システムを利用することで効率的に管理することが可能です。

過入金に限らず、通常の取引において前受金が多い場合には、販売管理システムの導入を検討してみると良いでしょう。

預り金の残高管理

前受金と同様に、預り金も日頃から残高の管理をしっかり行っていくことが重要です。具体的には例えば、毎月、預り金勘定の残高の内容を確認しておくと良いでしょう。通常、預り金の残高が発生するのは、社員の給料から源泉徴収した所得税などに限られます。イレギュラーな預り金残高が残っている場合には、返金等の対応が必要となる可能性がありますので、注意して見ておく必要があります。

また、計上されている金額に誤りがないかどうかもチェックしておくことも重要です。定期的に経理部門と関係個所とで残高が正しいかどうかのチェックを行うようにすると良いでしょう。

預り金の残高管理の確認方法

具体的なチェックの方法について例を挙げてみましょう。

例えば、決算時に預り金の内容を確認したところ、源泉徴収した所得税が100円、過入金となった売上代金が10円であったとします。

この場合、まず所得税の源泉徴収額が100円で間違いないかどうかを給料計算を行っている部署に確認します。その際には単に証拠書類と一致しているかどうかを確認するだけではなく、概算で計算してみるとこれくらいになるはずだという金額と一致しているか等、金額の妥当性についても極力、確認すると良いでしょう。

また、過入金となった売上代金の10円については営業部門に確認します。その際には、請求額との差額は10円で間違いないか?実はく前受金として売上代金に充当すべきものではないのか?等を確認します。

このようなチェックを行うことで、預り金の残高をしっかりと管理することができます。

まとめ

以上、預り金は何のために必要なのかについて解説してきました。

預り金は従業員から源泉徴収した所得税や得意先から売上代金が過入金となった場合等に発生します。預り金の勘定があることで、これらの金額を他の勘定科目と区別して管理しておくことができます。

また、預り金は外部からの請求書等を伴わないものであるため、社内でしっかり残高管理をしていくことが重要となります。万一、管理金額に誤りがあった場合には、源泉徴収した所得税を納付漏れしてしまったり、得意先に返金すべき金額が返金せずにそのまま残置されてしまうといったことにもなりかねません。

そのため、預り金の内容については、随時確認し、誤りがないかどうかを精査しておくことが大切です。

特に年度またぎの預り金は決算書に表示される金額ともなりますので注意しましょう。

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