経理担当者の負担となる年次決算を楽にするための毎月の消込業務のポイントとは?

年次決算を楽にするための毎月の消込業務のポイントとは?

こんにちは。「クロジカ請求管理」コンサルティングチームの花田です。

経理担当者の頭を悩ませる業務の一つに「消し込み」があります。売掛金や買掛金の残高を銀行口座のデータと照会し、消去するという単純な業務ですが、慎重さとスピード感を求められます。また、年次決算の時期に消込業務が重なってしまうと、経理担当者の負担はさらに重いものとなってしまいます。そこで今回は、年次決算を楽にできる、毎月の消込業務のポイントを紹介します。

消込業務のおさらい

消し込みとは、取引で計上した売掛金や買掛金の残高を消去していく業務です。売掛金を消すことを「入金消込」、買掛金を消すことを「支払消込」といい、この記事では、「入金消込」を中心に解説します。

実務上は、銀行口座の入金データを取得した後、計上している売掛金の残高と一致するかを確認します。一致するようであれば、入金消込台帳を更新し、会計ソフトへ入力するという流れです。なお、期日になっても入金されない請求は取引先に確認し、場合によっては督促を行います。

また、売掛金を管理する場合、下記のような入金消込台帳を表計算ソフトなどで作成して、銀行口座の入金データなどと照らし合わせながら残高を消していきます。

日付請求書番号取引先金額入金日入金額残高
4/5000001A社100,0005/15100,0000
5/8000002B社50,0006/120,00030,000
6/10000003C社300,0000300,000
入金消し込み台帳のイメージ

上記の台帳で残高が減ったことを確認したら、会計ソフトに以下のような仕訳を入力します。

取引内容:5月15日、請求書番号000001の代金が入金されたため、売掛金を消去する。

借方貸方
科目金額科目金額
現金預金100,000売掛金100,000

消し込みは、締め日にもよりますが基本的には毎月行う必要があります。ミスをすると自社の信頼に影響を及ぼす可能性もあるため、経理担当者にとってはプレッシャーのかかる業務といえるでしょう。さらに、事業の規模が大きくなるほどボリュームも増え、以下の項目で説明する理由から、時間がかかる業務になっていきます。

消込業務に時間がかかる理由

ボリュームが増えると時間がかかることが多い消込業務ですが、どのような理由から遅れが発生するのでしょうか。

手作業

売掛金の消し込みは、

  1. 発生した売掛金を台帳などに登録
  2. 入金が確認できたら振込データを参照して売掛金を消去
  3. 消去した内容を会計ソフトに入力

という手順で行われます。

上記のうち、1.と2.は会計ソフトの外(表計算ソフトなど)ですることが多く、手作業で行わなければなりません。そのため、転記のミスなどをはじめとした誤りが発生しやすいといえます。さらに、会計ソフトへ入力する段階でも入力を誤ってしまう可能性があります。

間違いが発生した場合は原因を突き止めて、やり直す必要が出てくるでしょう。このように、消し込みは手作業が介入することで時間がかかります。

目視確認

消し込みは、売掛金などの残高と自社の銀行口座の入金データを突き合わせて行います。突き合わせは、表計算ソフトで自動化できない部分のため、目視での確認が必要です。

すべての取引先が、売掛金の残高と一致する金額を振り込んでくれればよいのですが、振込手数料分を差し引かれた後の額が入金されることがよくあります。また、振込名義が自社の台帳と合わなかったりすることもあるでしょう。

差異の原因を確認するため、営業担当者や取引先などに確認をする手間が発生します。そのため不一致の件数が増えるほど業務が滞ることになるのです。

業務の属人化

消し込みは時間に追われる仕事です。スピードを重視することから、作業に手慣れたベテラン社員に業務が集まる「業務の属人化」が発生しやすくなります。また、前述したとおり、ミスをすると自社の信頼性を損なうことから、業務に習熟した一部の社員に任せきりという状況も起こりやすいでしょう。

一部の社員だけができる仕事になってしまうと、社員間の労働時間(残業など)に偏りが出てきます。さらに、担当者が異動となった際は、引継ぎを細かい点まで行わなければ業務に滞りが発生します。

消込業務の遅れが年次決算に与える影響

消込業務の遅れが年次決算に与える影響

年次決算は、その年度の財政状態や経営成績を把握するための業務です。正確さと速さが求められるほか、業務量も多いため、経理担当者にとって1年で最も重要な業務といえます。

対して、消し込みは定期的に発生する業務です。当然、決算期にも行う必要がありますが、消し込みの遅れが発生することにより、決算へどのような影響を与えるのでしょうか。

決算スケジュールが遅れる

年次決算は時間との勝負です。短い期間で1年間の財務・損益データをまとめ、経営者や利害関係者に報告しなければなりません。

しかし、消込業務は決算期であってもいつもどおり行う必要があります。売掛金の締め日が月末であれば、決算と消し込みを並行しなければなりません。

そのため、消し込みに時間がかかると決算に割くための時間が少なくなり、結果的に決算スケジュールが遅れることとなります。

決算内容に影響を及ぼす

消し込みが遅れたり、忘れたりした場合、その年に計上しなければならなかった仕訳を翌年に計上する、「期ずれ」が発生してしまう可能性があります。取引内容の重要性にもよりますが、金額が大きければ、前年度にさかのぼって財務諸表を修正する必要がでてきます。

消込業務の遅れが発生すると、決算に上記のような影響があります。さらに、決算期は会社全体が慌ただしくなるため、ミスが発見されづらい環境にあるといえます。そのため、効率的な消込業務が必要となります。

では、消込業務が決算に影響を与えないようにするためには、どのような方法で行えばよいのでしょうか。次の項目では、日々の業務や年次決算を楽にするためのポイントを紹介します。

消込業務のポイントは「システム化」

毎月の消し込みにかかる時間を減らし、かつ、年次決算を楽にするためには、表計算ソフトからの脱却が必要です。既存の課題を解決する消込業務のポイントとして、「システム化」があげられます。システム化のメリットは、以下のとおりとなります。

消し込みの自動化

過去の消し込み履歴と取引先のデータを紐づけられるため、同じ名義・金額で振り込まれた際は自動で消し込みをしてくれます。また、一つの取引先に対して、複数の名義を紐づけできます。そのため、時期によって振込名義が変わる取引先にも対応可能です。

さらに、定期的な入金であれば銀行口座のデータをまとめてインポートでき、こちらも自動で消し込みがされます。

アラート機能で入金遅れの把握が容易

システム上で請求データも取り扱う場合、支払期日も同時に管理してくれます。入金の遅れがあった場合はアラートで知らせてくれるため、取引先への確認や督促を忘れるというリスクを減らせるでしょう。

複数契約の入金に対応

同一の取引先で複数の契約を結んでいる際、代金が合算額で振り込まれることがあります。手作業での消し込みでは、取引先に内訳を聞いたり、どの契約を組み合わせれば金額が一致するかを検証したりする手間が出てくるでしょう。システムを使用すれば、これらの消し込みにも自動で対応ができます。

まとめ

消し込みは、単純な作業ですが非常に重要な業務です。手作業が介入することも多いためミスが発生しやすいですが、精度とスピードも求められるため、ベテラン社員に業務が集まりがちになります。

また、業務の遅れは決算にも影響を与えるため、日ごろから滞りなく消し込みができる環境づくりをしておくとよいでしょう。

スムーズな消し込みを行うためにはシステム導入をおすすめします。消込業務の多くを自動化できるほか、ミスを減らせる機能が備えられているため、日々の業務や年次決算を楽にしてくれるでしょう。

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