企業間取引における発生主義と実現主義の違いは?請求書との関係も解説

企業間取引における発生主義と実現主義の違いは?請求書との関係も解説

こんにちは。「KIMERA」コンサルティングチームの花田です。

日々、様々な企業間取引が行われますが、その仕訳をする際に、どのタイミングで費用や収益を計上したら良いか、迷ったことはないでしょうか?

費用や収益の認識のタイミングには発生主義や実現主義という考え方があります。これらの考え方について、なんとなくわかっていても、詳しい内容までは理解していない方も多いのではないでしょうか?

以下では、発生主義と実現主義の内容や違いについて説明していきます。また、請求書との関係についても解説します。

これらを理解することで、適切なタイミングで費用や収益を計上することができるようになります。

企業会計原則

近年では、国際会計基準の影響により、日本でも様々な会計基準が企業会計基準委員会から公表されています。企業会計を行う際には、これらの会計基準が適用される一方で、依然としてそのベースは企業会計原則であるといえます。

企業会計原則は、1949年に企業会計審議会によって公表されたもの、企業会計の実務の中に慣習として発達したものの中から、一般に公正妥当と認められるところを要約したものとなっています。

企業会計原則は、「一般原則」、「損益計算書原則」、「貸借対照表原則」の3つの原則から構成されています。この中で、特に収益と費用の考え方について記載されているのが、「損益計算書原則」です。

該当部分は以下のとおりとなります。

すべての費用及び収益は、その支出及び収入に基づいて計上し、その発生した期間に正しく割り当てられるように処理しなければならない。ただし、未実現収益は、原則として、当期の損益計算に計上してはならない。

まず、上記の文言のうち、「その発生した期間に正しく割当てられるように処理しなければならない」という記載により、費用と収益について発生主義による会計を要請しています。

さらに、収益については「未実現収益は、原則として、当期の損益計算に計上してはならない」という記載により、実現主義による会計を要請しています。

以上から、企業会計原則においては、費用は「発生主義」で計上し、収益は「実現主義」で計上することを求められているといえます。

以下では発生主義と実現主義について、詳しく説明していきます。

発生主義とは

まずは、発生主義について解説していきます。

発生主義とは取引を「発生の事実」に基づいて、認識する考え方をいいます。

企業会計においては、継続的な役務提供を行う際に発生主義の考え方が用いられているほか、引当金の計上や減価償却、売上原価の計上も発生主義に基づいて行われています。

継続的な役務提供

継続的な役務提供というのは、要するに365日、24時間継続して提供されるサービスのことです。例えば、資金の借入れや建物・車等の賃借、保険等は継続的な役務提供の代表的なものであると言えます。

それでは、資金の借入れを例として、発生主義について考えてみましょう。

なお、会計期間は4月から翌年3月までとします。

例えば、10月から翌年9月までの借入れを行って、その利息を9月の返済時にまとめて支払うとします。役務提供の完了をもって費用計上するという考え方でいけば、9月の返済時にまとめて1年分の利息を費用計上することとなります。

これに対して、発生主義の考え方では、10月の借入れから翌年3月までに発生した利息は当会計期間に発生した費用であるとして、当年度に費用計上することとなります。

この場合、利息の支払いはまだ行っていないため、相手科目は未払費用として負債計上することとなります。なお、この未払費用のことを経過勘定項目と呼びます。

引当金

また、賞与引当金のような引当金の繰入れによる費用計上も発生主義の考え方によるものです。

賞与の支給対象期間が当年度であり、実際の支給が翌年度である場合、賞与自体は当年度に発生しているものとして費用計上し、相手科目は賞与引当金等の科目で負債計上します。

減価償却

さらに、固定資産の減価償却も発生主義の考え方によって行われるものです。固定資産の購入時に一括費用計上した場合には、使用期間に関わらず購入年度に過大な費用が計上されることとなってしまいます。

しかし、発生主義により減価償却を行うことで、使用期間に渡って徐々に費用計上することができます。

売上原価

売上原価も発生主義の考え方によって計上されています。例えば、商品の仕入・販売を行っている場合、購入して在庫しているものは商品として資産計上されます。そして、実際に販売されたときに売上原価として費用計上されることとなります。

実現主義

次に、収益に適用される実現主義について解説していきます。

実現主義とは、収益をその「実現」の時に計上する考え方です。

具体的には、商品やサービスを得意先に引渡し、その対価として現金や売掛金等の貨幣性資産を受け取った時に収益が実現すると言えます。

逆にいえば、たとえ在庫している商品の時価が上昇したとしても、実際に販売するまで収益は計上されないこととなります。

以下では商品の販売を例として実現主義を説明していきます。

実現主義に基づいて売上計上する基準には次の3つがあります。

1. 出荷基準

出荷基準は、得意先からの注文に基づき、商品を発送した日に売上を計上する基準です。

出荷時点では、厳密には得意先に商品が届いていないため、引渡しが完了しているとはいえません。

しかし、出荷してから得意先に届くまでの期間が短い場合や、実質的に返品がほとんど発生しない場合には、このような基準で売上計上することも認められています。

2. 引渡基準

引渡基準は、得意先に商品を引渡した日をもって売上計上の日とする基準です。

この場合も、得意先に商品が届いているだけで、得意先は検品を行っていない状態ですので、形式的に引渡しをしていても相手側が未確認の段階で売上計上することとなります。

しかし、出荷基準と同様に、実質的に返品がほとんど発生しない場合には引渡基準による売上計上が認められています。

3. 検収基準

検収基準は、得意先に商品を引渡し、さらに検品により商品に問題がないことを確認してもらった日をもって売上計上の日とする基準です。

検収の確認が必要である点で実務的には繁雑であるものの、実現主義の考え方に基づいたものであるいえます。

請求書との関係

実現主義で売上計上する場合の3つの基準と注意点

以上、実現主義により売上計上する場合の3つの基準について説明してきました。

売上の計上基準が3つあるということは、同じ取引であっても、請求書に記載されるタイミングも3通りあるということを意味します。

特に、「1」の出荷基準によって売上計上している場合には、当社の請求金額と得意先の仕入金額が一致しない可能性があることを認識しておく必要があります。

例えば、月末に商品を出荷した場合、当社は出荷済として当月に売上計上しますが、得意先に商品が届いたのが翌月であれば、得意先では翌月に仕入計上することとなります。

これに対して、「3」の検収基準によって売上計上している場合には、当社の請求額と得意先の仕入金額は基本的に一致することとなります。

発生主義と実現主義の違い

以上、発生主義と実現主義について、それぞれ説明してきました。

発生主義と実現主義の違いについてまとめると、以下のとおりとなります。

(1)発生主義は取引を「発生の事実」に基づき計上する考え方であるのに対し、実現主義は取引を「実現」の時に計上する考え方である。

(2)企業会計原則は、費用は発生主義により計上し、収益は実現主義により計上することを求めている。

まとめ

以上、企業間取引における発生主義と実現主義の内容とその違いについて解説しました。また、請求書との関係についても解説しました。

上記を参考として、費用と収益を計上するタイミングについて理解を深めていただき、適正な期間損益計算に役立てていただければと思います。

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