製造業の保守契約における前受収益の発生要因と経営観点的メリットとは?

製造業の保守契約に関する会計において、「前受収益」は必ずといっていいほど登場します。適切な期間損益計算のためにも正確な金額を計上しなければいけませんが、そもそも前受収益はどのような状況で発生するのでしょうか。また、経営観点的な視点から見た場合はどのような影響があるのでしょうか。

この記事では、経理担当者や経営者の皆さまに向けた、前受収益の発生要因と経営観点的メリットの解説を行います。

製造業の保守契約における前受収益の発生要因

前受収益とは、経過勘定と呼ばれる勘定科目のひとつで、期末に行う「決算整理仕訳」で登場します。会計のルールを定めた「企業会計原則」では以下のように定義されています。

前受収益とは、一定の契約に従い、継続して役務(サービス)の提供を行う場合、いまだ提供していない役務に対し支払いを受けた対価をいう。

企業会計原則

上記の定義は、前受収益の計上は「次期以降に属する収益を当期に計上した場合、当期分の収益から除外する」処理と読むことができます。

保守契約では、前もって契約を行い、数か月や数年など継続的に役務(サービス)を提供するケースがほとんどであると思われるため、前受収益を計上する機会は多いです。よって、製造業をはじめとした業界で保守契約を結んだ場合、前受収益は必ず管理する必要があります。

なお、前受収益は、以下のように仕訳を行います。

仕訳1:X1年12月1日、保守サービスを提供する契約をA社と結び、1年分(X1年12月~X2年11月)の料金120,000円が当社の預金口座に振り込まれた。なお、当社の会計期間はX1年4月1日~X2年3月31日である。

借方貸方
科目金額科目金額
現金預金120,000売上120,000

仕訳2:X2年3月31日、決算整理仕訳として、12月1日契約分の前受収益を計上する。

借方貸方
科目金額科目金額
売上80,000前受収益80,000

※X1年12月~X2年3月(4か月分)は当期の収益となり、X2年4月~11月(8か月分)は次期の収益となる。

仕訳3:X2年4月1日、前期末に計上した前受収益を振戻する。

借方貸方
科目金額科目金額
前受収益80,000売上80,000

※前受収益はX1年度末分と相殺され、売上80,000円のみX2年度に計上される。

経営観点的メリットとは

経営観点から見ると、前受収益の計上は「正確な期間損益」を財務諸表で表現することにつながります。また、会計には「費用収益対応の原則」というルールがあります。「ある一定期間に獲得した収益と発生した費用については、その因果関係に基づいて対応させる」という考え方です。

したがって、株主や取引先はもとより、融資をしてくれる金融機関などの利害関係者に対して信頼性の高い財務諸表を提供するという意味からも、前受収益の計上は正確に行う必要があります。

前受収益を管理する際のポイント

これまでで説明したとおり、保守契約により収益を得る法人は、前受収益の計上機会が多いです。実務では、取引先により契約期間や金額などが異なるため、管理が複雑になりがちです。

エクセルをはじめとした表計算ソフトで管理をする法人も多いかと思われますが、事業が拡大するとソフト自体が重くなったり、入力ミスが発生したりするリスクが高まります。利害関係者に正確な財務諸表を提供するためにも、表計算ソフトからステップアップした、専用のシステム導入を検討することをおすすめします。

まとめ

製造業の保守契約では、前受収益の計上と管理はほぼ必須であるといえます。適切に期間損益を計算し、株主をはじめとした利害関係者に正確な財務諸表を提供するためにも、計上は慎重にするべきです。表計算ソフトでの管理に限界を感じるようあればシステム化も検討し、効率的な業務を目指してみましょう。

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