特定保守管理医療機器の保守サービスの会計処理は収益認識基準導入によってどのように変化するか?

2021年4月から始まる会計年度より企業の会計処理が大きく変化します。日本の会計基準を策定している企業会計委員会(ASBJ)が2018年3月に公開した「収益に関する会計基準」(以下「収益認識基準」)が大企業を中心に強制適用されるのです。対象が大企業に絞られるとはいえ、大企業と取引を行う中小企業も当然ながら影響を受けます。

収益認識基準が導入されると会計処理は大きく変わることになりますが、本稿では特定保守管理医療機器の保守サービスに絞って売上計上のポイントを解説します。

特定保守管理医療機器の保守サービスとは?

収益認識基準を考える前提として特定保守管理医療機器の保守サービスの内容を理解する必要があります。理由は、収益認識基準に従って売上計上を行うためには実際の業務を把握する必要があるからです。

特定保守管理医療機器とは、適正な管理を行わなければ重大な影響が出る恐れのあるものとして厚生労働大臣が指定した医療機器です。具体的には、新生児処置台や光線治療器、冷凍手術器などがあげられます。これらの機器の不具合が患者に危害を与えるという事態は絶対に避けなければなりません。しかし、精密機器である以上、部品が摩耗・劣化して故障したり、故障に至らなくともスムーズな機器の作動が損なわれることがあります。保守点検を確実に実施することで事故を予防していくことは不可欠です。具体的な作業内容というと、クリーニングや校正作業、動作確認、消耗部品の交換です。必要に応じて劣化した部品の交換を行うオーバーホールの作業も含みます。

収益認識基準導入後における特定保守管理医療機器の保守サービスの会計処理

従来、売上の会計処理は実現主義に従って計上されていました。しかし、収益認識基準によって5つのステップを踏んで売上計上を行うようになります。

ステップ①は契約の識別です。ここではどんな商品・サービスの売買がなされたか確認します。ステップ②は履行義務の識別です。識別された契約中にいくつの履行義務が含まれているのかを確認します。ステップ③は取引価格の算定です。締結した契約の取引価格を見積もります。ステップ④は履行義務の取引価格への配分です。履行義務ごとに各々いくらの対価となるのか見積もって配分します。ステップ⑤は履行義務による収益の認識です。履行義務ごとにどの時点で売上を計上するのか決定します。

ここで示された収益認識基準を特定保守管理医療機器の保守サービスに適用して考えると、ポイントになるのがステップ⑤の履行義務による収益の認識です。保守サービスは長期契約になるのが一般的で、代金も前払いでまとめて支払う場合が多いです。このため、契約当初に受領した代金をいったん企業がプールして、年ごとにまたは月ごとに分割して売上計上します。例えば、保守サービス期間が1年間で契約期間中の対価を最初にまとめて受領した場合もいったんは前受金として計上して、毎月の保守サービスの履行状況に応じて売上計上します。ここで問題になるのが、保守サービスという履行義務がきちんと履行されたのか経理担当者が把握したうえで会計処理を行わなければならないことです。現場担当者との連携がこれまで以上に求められます。従来は帳簿上だけで処理が完結したのとは大きな違いです。

まとめ

収益認識基準は会計実務に大きな変化をもたらします。経理担当者の中には新しい実務への対応がまだ追いついていない場合も少なくないかと思います。特に、特定保守管理医療機器の保守サービスは特殊な分野なので、細かな会計処理は実務の蓄積を待たなければならない面も強いです。ただ、過渡期であるからこそ情報を収集し、新たな局面に備えていく必要があります。本稿がそのための一助になれば幸いです。

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