コスメボックス配送サービスを提供する企業の収益認識のポイント

コスメボックス配送サービスを提供する企業の収益認識のポイント

こんにちは。「クロジカ請求管理」コンサルティングチームの花田です。

コスメボックスの配送サービスとは、顧客と契約(毎月課金、一定期間の自動更新の継続課金等)に基づいて、様々なスキンケアやメイク品等をセットにして、定期的に顧客に届けるサービスです。

契約プランの対象となるサービスについて、顧客は、季節ごとに自分の好みにあった化粧品を選ぶことができるプランや、ジャンル別のコース(デパートコスメ系・海外コスメ系等)プランのようにいくつかの選択肢を選ぶことができる場合があります。

さらに高級コスメブランドのサンプル品が付属する特典をつけて、顧客のお得感・満足感を高めるように工夫を凝らしています。

このように、このビジネスモデルの特徴は、顧客満足度を高めることで「(長期)契約に基づいて」「定期的に」「商品を配送(販売)」する仕組みといえます。

一般的なコスメ販売の商流の場合

化粧品業界では、主に3つの商流があります。メーカーから見て、百貨店や専門店に対する販売、卸売業者に対する販売、そして美容部員を経由する訪問販売です。

近年ではECを活用して、顧客に直接販売するケースも増えてきています。

これらの商流では、メーカー側の収益認識は、原則として商品の所有権が相手に移った時点となります。卸売業者に対する販売においては、季節品の返品を受ける場合もあり、将来の返品予想額を収益から控除し、これを「返品負債」として貸借対照表の負債の部に計上します。

最大手の資生堂では、「収益認識に関する会計基準」および「収益認識に関する会計基準の適用指針」を2022年12月期より適用予定としていますが、同社の米国子会社やIFRS適用子会社では、既に返品負債を計上しています。

(出典)資生堂 2019年12月期 有価証券報告書

コスメボックス配送サービスの収益認識について

新収益認識基準に基づけば、収益の認識は、商品の支配が顧客に移転し、履行義務が充足された時点とされます(基準第39項)。そのため、顧客がいつ商品の支配を獲得したのか、の判定が重要になります。

もし、顧客が商品を気に入らない場合には、一定期間内であれば返品できる契約では、販売時の価格から、返品されると見込まれる金額を控除して、収益を計上しなければなりません(指針第85項)。

また、化粧品を使いきれない場合には、次月の定期配送を止めることができる場合もあります。契約の主たる目的であるコスメボックスを顧客に届けていませんので、定期配送を止めた月度では、収益を計上することができない点にも留意が必要です。

前受金がある場合の収益認識

複数ヶ月を対象とした契約の対価を一度に受け取る場合では、その代金を受け取った時点において、その代金の全額を収益に計上することはできません。

履行義務を充足した時点(この場合では、毎月商品を顧客に配送した時点)毎に収益を計上することになります。

実務上は、契約期間で按分した金額を毎月計上することになります。

ポイント付与がある場合の収益認識

顧客の購買意欲を刺激し、次回の購入につなげることを期待して、顧客にポイントを付与する場合があります。

ポイント部分は、商品販売とは別の履行義務があるものとして区分されますので、「独立販売価格」に基づいて、商品部分とポイント部分とに配分して、それぞれの履行義務が充足された時点で収益を認識することになります。

この場合、商品は販売された時点で、ポイントはそれが利用された時点(あるいは有効期限が切れた時点)で、それぞれ収益を認識することになります。

長期契約による割引がある場合の収益認識

コスメボックスの定期配送サービスでは、料金プランが、1ヵ月契約、3ヶ月契約、6ヵ月契約と細分化され、自動更新としているケースが多くなっています。

そして、長期契約になるほど契約料金の割引率を高くすることで、顧客のロイヤリティを高めています。

この場合の収益認識額は、定価からその割引額を契約期間に按分した額を控除した価額となります。

長期契約による割引がある場合の収益認識

複雑化する収益認識基準の適用にはシステムを活用しよう

このように、多くの顧客に対して自動更新の意思を確認し、できる限り長期契約化を促して、収益の最大化を図るビジネスモデルにおいては、契約管理と収益の適切な計上がとても重要になります。

数百人、数千人規模以上の顧客を抱えると、エクセルでの管理や、特定の機能に特化したシステムだけでは限界がありますので、自社の仕組みにあった最新の機能を持った複合型のシステムの利用が望まれます。

最近の複合型システムは、クラウド上で使うことができる容易さ、機能面では請求、契約管理、顧客情報管理、入金管理(消込機能)等を一体として備え、これらを会計システムと接続でき、営業と経理との情報共有を可能にしていますので、業務の効率化のためにも、早い段階から導入を検討することをお勧めします。

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