ウォーターサーバーのレンタルサービスを提供する企業の収益認識のポイント

ウォーターサーバーのレンタルサービスを提供する企業の収益認識のポイント

こんにちは。「クロジカ請求管理」コンサルティングチームの花田です。

ここ十数年で、公共施設や病院、一般企業から個人宅まで、あらゆるところに浸透し、目に触れることが多くなっているウォーターサーバー。そのウォーターサーバーレンタルや宅配水サービスを提供する企業側の収益認識について、具体例を紹介しながら解説していきます。

ウォーターサーバーレンタル事業とは

ウォーターサーバーのレンタルサービスとは、個人や法人向けに、ウォーターサーバーを貸し出し、天然水やRO水(逆浸透膜「0.0001ミクロンの極小フィルター」でろ過した水)などの水を定期的に届けることを目的とする事業をいいます。

発足当初は配送員が製品水ボトルを届け、使い終わった空ボトルを回収するリターナブル方式が中心でしたが、最近では、使い捨てボトルやパックの配送するワンウェイ方式が主流になりつつあり、両方式合わせて2020年度においては、1,700億円を超える市場規模まで拡大しています。

料金体系は、各業者によって様々で、無料としている部分もありますが、主に以下の対価を請求します。

  • 初期費用:サーバーの配送費用や設置費用など実施後に請求(ただし、無料のケースが多い)
  • サーバーレンタル料:毎月定額の貸し出し料を徴収。最近は無料とするケースが増えている
  • お水の料金:1本単位や毎月〇本など、利用本数を月ごとに従量課金請求するケースが多い
  • お水の配送料:月単位で請求する場合もあるが、「2本以上の注文で無料」などの業者も多い
  • メンテナンス料:年間や月額で請求する場合、無料(セルフメンテナンス)の業者もある
  • そのほか手数料:注文量や注文頻度が少ないと、手数料として請求するケースがある
  • 解約料:2年以内での解約した場合に、請求するケースがある

よって、料金体系としては、①サーバーレンタル料やメンテナンス料などのように、毎月定額で請求するもの、②お水の料金や配達料などのように、利用頻度に応じて従量課金請求するもの、③初期費用や手数料や解約料などのように、当該事象が発生した場合に一時点で請求するもの、というように主に3つに分けられます。

また、請求のタイミングは、①は当該月に請求、②も納品月に請求、③は、当該役務完了時や事象発生時に請求し、ユーザー側の支払手段としては、業者によって取り扱い手段は異なりますが、主に銀行(または郵便)振込やクレジッットカード払い、口座振替、代金引換などが使われています。

ウォーターサーバーレンタル事業に係る収益認識の具体例

次に具体的な例に基づき、収益認識方法を、仕訳を踏まえて説明していきます。例えば、以下のような契約を顧客と締結·発注したと仮定します。

(1)ウォーターサーバーレンタル料 @800円/月
(2)サーバーメンテナンス料 @200円/月
(3)天然水 @1,500円/パック (月2本の場合)
(4)配達料 @200円/回 (月1回の場合)
(5)初期費用 2,000円

この場合、それぞれの収益認識方法は、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号)(以下、「収益認識基準」とする)に照らして履行義務を識別し、その充足方法による認識時期に従い、次のとおりに処理することになります。

ウォーターサーバーレンタルサービスの計上時期

(1)ウォーターサーバーレンタル料

リース取引に該当することから、「収益認識基準」第3項により、「リース会計基準」の賃貸借処理に基づき、レンタル期間に対応して、月ごとに収益を認識します。

借方金額貸方金額
売掛金800売上高800

備考:期間に対応して月額計上

(2)サーバーメンテナンス料

サーバーメンテナンス業務は、「収益認識基準」第38項(1)「企業が顧客との契約における義務を履行するにつれて、顧客が便益を享受すること」 に該当するため、メンテナンス期間に対応して、月ごとに収益を認識します。

借方金額貸方金額
売掛金200売上高200

備考:期間に対応して月額計上

(3)天然水

天然水の履行義務は、それを顧客へ引き渡すことであり、「収益認識基準」第38項(1)~(3)のいずれの要件に該当しないため、「収益認識基準」第39項の一時点で充足される履行義務として、天然水の引渡し時に収益を認識します。基本的に毎月発送されることから、実務的には、月単位の従量課金として収益を認識することになります。

借方金額貸方金額
売掛金3,000売上高3,000

備考:引渡時に計上(従量単位)

(4)配達料 

配達の履行義務は、天然水を引き渡しする役務提供のため、③の天然水同様、一時点で充足される履行義務として配達完了時に収益を認識します。これも、実務的には月ごとの配送回数に乗じて収益を認識することになります。

借方金額貸方金額
売掛金200売上高200

備考:役務提供時に計上(月単位)

(5)初期費用

初期費用は、契約時の事務手数料やサーバー設置費用など、契約時点での履行義務とした場合は、一時点で充足される履行義務として、契約時に収益を認識します。

借方金額貸方金額
売掛金2,000売上高2,000

備考:契約時に計上

まとめ

以上のように、ウォーターサーバーのレンタルサービスを提供する企業の収益認識方法としては、いくつもの認識パターンがあり、上記の例以外にも、一部のサービスが無料となっているパターンも多く、収益認識基準に従い、無料サービスの履行義務を識別し、取引価格の配分などの論点が生じるケースもあるため、慎重に論点整理が必要になります。

また、同様にスポットや継続請求、継続請求の場合でも定額と従量課金など、複数のパターンが想定されることから、顧客別・契約別に、正確に漏れなく請求かつ適切に回収管理ができるような仕組みが求められます。

特に取引量が多い場合、スプレッドシートによる管理では、エラーのリスクや業務が非効率化することから、当該仕組みに適切に対応した管理システムの導入を検討していくことが望まれます。

参考資料

一般社団法人 日本宅配水&サーバー協会 宅配水業界統計資料

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