切っても切れない!?継続契約と前受収益の関係とは?

前受収益とは、当期に属さない収益を次期に繰り越す処理です。

継続的にサービスを提供する継続課金ビジネスでは、まとめて受け取った利用料の中に次期に属する収益が含まれることも多く、前受収益の重要性は他業種より高くなります。

この記事では、経営者や経理担当者の皆さまへ向けて、継続的な契約と前受収益の切っても切れない関係性を解説します。

前受収益とは

前受収益とは、決算整理仕訳で使用する「経過勘定」と呼ばれる負債科目です。

売上(収益)は、小売業であれば商品の販売時点に計上しますが、継続的にサービスを提供する継続課金ビジネスでは、受け取った利用料の中に次期に属する収益が含まれる場合があります。

会計には、収益と費用は役務(サービス)を提供した期間に応じて配分し、正確な期間損益を計算するというルールがあるため、当期の収益ではない部分は、次期に繰り越す必要があります。

よって、前受収益は「当期に計上した次期分の収益を繰り越し」する際に使われます。

なお、企業会計原則注解・注5において以下のように定義されています。

前受収益は、一定の契約に従い、継続して役務の提供を行う場合、いまだ提供していない役務に対し支払を受けた対価をいう。 

企業会計原則注解・注5

前受収益の仕訳例

上記で説明したとおり、前受収益は当期に属さない収益を次期に繰り越す処理ですが、期中に収益を計上した際は、まず下記のように通常の仕訳を起こします。

仕訳1:7月1日、継続課金サービスの利用料1年分(X1年7月~X2年6月)として120,000円が当社の預金口座に振り込まれた。なお、当社の会計期間はX1年4月1日~X2年3月31日である。

借方貸方
科目金額科目金額
現金預金120,000売上120,000

決算時点でサービスをまだ提供していない3か月分(X2年4月~6月)の収益を次期に繰り越すため、下記の仕訳を起こします。

仕訳2:X2年3月31日、決算整理仕訳として、7月1日売上分の前受収益を計上する。

借方貸方
科目金額科目金額
売上30,000前受収益30,000

※120,000×3か月÷12か月=30,000

X1年度末に計上した前受収益(売上)は、X2年度にサービスが提供されます。したがって、X2年度期首に売上勘定の振戻仕訳を起こします。

仕訳3:X2年4月1日、前期末に計上した前受収益を振戻する。

借方貸方
科目金額科目金額
前受収益30,000売上30,000

※前受収益はX1年度末分と相殺され、売上のみ計上される。

これで、X1年度に計上した売上をX2年度に繰り越すことができました。以上が前受収益の基本的な流れとなります。

継続契約と前受収益管理

その場で売上が確定する小売業などの業種とは異なり、継続課金ビジネスは契約に基づく継続的なサービス提供で売上を計上していきます。よって、他業種に比べると前受収益の計上件数は多く、決算整理処理における重要性が高くなります。

継続課金ビジネスは、前受収益に関連して前受金や売掛金の管理も行う必要があります。顧客数が少ないうちはエクセルなどの表計算ソフトで経理スタッフが管理できますが、事業規模が拡大すると、ヒューマンエラーのリスクも高まります。

前受収益の計上を誤るとその年度の収益額がゆがんでしまうため、財務諸表を見る利害関係者(株主や金融機関など)が正しい投資判断をできなくなります。ミスなく処理をするために、システム化の検討をおすすめします。

まとめ

記事で説明したとおり、前受収益は「当期に属さない収益を次期に繰り越す」ために使います。決算整理仕訳のみで登場しますが、正確な収益を計算するために必須の勘定科目となります。

サービスを継続的に提供していく継続課金ビジネスでは、前受収益を計上する件数も多いため特に慎重に処理する必要があります。エクセルなどで管理している場合は、利害関係者の判断を誤らせないよう、システム化をしてみてはいかがでしょうか。

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