電子帳簿保存法の要件と概要を確認して電子取引の電子データ保存を実行しよう

電子帳簿保存法の要件と概要を確認して電子取引の電子データ保存を実行しよう

1998年に制定された電子帳簿保存法により、紙で最低7年間保管する事が義務付けられていた国税関係の帳簿書類は電子データで保管する事ができます。帳簿の紙保存は保管場所の確保だけでなくITサービスが発達した現代においてわざわざプリントアウトして保存することは業務上効率といえなかったため、電子データでの保管は両方の側面から経営に寄与するでしょう。

しかし電子データの保存が認められ、2005年、2015年、2016年、2020年と改正による要件緩和がなされてきたにも関わらず、現状電子データでの保存が実現できていない事業者も少なくありません。

要件緩和でも電子データの保存を実現できていない事業者が多い理由

その理由の一つとして、税務署への申請および申請から最短で3ヶ月を要する税務署からの承認が必要等まだまだハードルが高いところが挙げられます。

しかし、現在の電子帳簿保存法で申請も承認も必要がなく、電子保存が認められているものがあります。それは、「電子取引」(電子帳簿保存10条)です。

電子取引とは、「取引情報の授受を電磁的方式により行う取引」(電子帳簿保存法2条6項)と定義されています。具体的には、電子取引は紙の代わりにデータが行き来して成立するものということになります。つまり電子取引は元々電子保存されていた取引を一定の要件にしたがって保存することで、電子帳簿保存法の申請だけでなく紙の出力も不要になる為業務効率化を簡単に実現する事ができます。さらにこれまで申請のわずらわしさから電子データの保存を見送っていた事業所では申請のいらない電子取引の保存を試みることで、電子取引以外の電子データ保存についても電子帳簿保存法の適用を検討する入口になるのではないでしょうか。

今回はこの電子取引の電子データ保存について説明します。

電子取引の電子データ保存とは

電子取引の電子データ保存については電子帳簿保存法第10条で定められています。

所得税及び法人税の保存義務者は、電子取引を行った場合には、財務省令で定めるところにより、当該電子取引の取引情報に係る電磁的記録を保存しなければならない。

電子帳簿保存法第10条

この「電子取引」とは、さきほど述べたとおり「取引情報の授受を電磁的方式により行う取引」で、具体的には電子帳簿保存法取扱通達の「法第2条(定義)関係」の2-3でと以下のものがあげられています。

EDIとは商取引に関する情報を企業間で電子的に交換する仕組みです。同通達の解説では「納税者が行っている取引が電子取引に該当するか否かの判断に迷うケースもあると考えられる。したがって、取引情報の授受が電磁的方式によって行われる取引はすべて該当するのであるが、その内容をある程度明示する必要があることから、一般に行われている電子取引について念のため例示したものである」としており、事業者が電子取引とイメージするものは基本的にすべて該当すると考えられます。

  1. いわゆるEDI取引
  2. インターネット等による取引
  3. 電子メールにより取引情報を授受する取引(添付ファイルによる場合を含む。)
  4. インターネット上にサイトを設け、当該サイトを通じて取引情報を授受する取引

また電子帳簿保存法2条6で「(注)いわゆるEDI取引において、電磁的記録により保存すべき取引情報は、一般に「メッセージ」と称される見積書、注文書、納品書及び支払通知書等の書類に相当する単位ごとに、一般に「データ項目」と称される注文番号、注文年月日、注文総額、品名、数量、単価及び金額等の各書類の記載項目に相当する項目となることに留意する。」とあります。

つまり、電子で取引したもので取引情報を記載されているものはそのままにしておけば、紙での保存は不要なのでしょうか。そうではありません。

電子取引を電子保存するためには一定のルールが必要です。

電子取引の電子データ保存の要件

電子帳簿保存法施行規則第3条第1項によると電子帳簿保存法上の電子データの保存要件として「真実性の確保」と「可視性の確保」を求めています。

「真実性の確保」とは改変可能な電子データが真実であることを要請するものです。具体的には電子帳簿保存法施行規則第8条の1項にて「保存する際に必要となる措置」としてタイムスタンプを付与するか(書類を受領後に押す)、事務処理規定を整備する方法(運用上のルールを整備する事)のいずれかを選択し実施することで確保することができます。2020年にこの保存措置について要件が緩和されており、タイムスタンプ付きのファイルを受領したときには受領側ではスタンプを押す必要がなくなり、さらにクラウド上の第三者を介して授受され受領者側でデータ改変ができないデータはそのまま保存できるようになりました。

「可視生の確保」とは、具体的に「見読可能性の確保」(ディスプレイやプリンタなどで速やかに出力ができること)「検索機能の確保」(帳簿の中身である取引年月日、勘定科目、取引金額その他のその帳簿の種類に応じた主要な記録項目を検索でき、さらに日付または金額などについては範囲検索ができること、記録項目を組み合わせて検索できること)が確保できることで確保できるとされています。

2020年改正後の要件については、特にサブスクリプションビジネスを行っている事業所であれば使用している電子サービスによっては十分に満たしているものもあるのではないでしょうか。

使用している電子取引サービスが該当するか否かについて詳しくは、国税庁HPの電子帳簿保存法Q&A(一問一答)でご確認ください。電子データ保存にかかわる事務処理規定のサンプルも掲載されているようです。

電子取引の電子データ保存についてのまとめ

電子取引の電子データ保存は、税務署への申請も不要で、使用の電子取引サービスが要件を満たしていればそのまま保存データとみなされるため、事業所の現状によってはコストをかけることもなく電子保存によって業務効率化に貢献できるでしょう。また、新たに電子取引サービスを導入する際にも一つ考慮するポイントになるかと思いますので、経理担当者はしっかり確認するようにしましょう。

また、電子取引の電子データ保存は、冒頭で説明した通り税務署への申請が不要のため帳簿・書類・スキャナの電子帳簿保存とは異なり、要件不足による差し戻しがないため事業所で電子帳簿保存法の要件を満たしているかしっかり確認しましょう。

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