2021年4月スタート!収益認識基準の導入に伴い建設業界で生じる変化と影響とは?

2021年4月スタート!収益認識基準の導入に伴い建設業界で生じる変化と影響とは?

2021年4月から売上計上のルールが変わります。特に建設業界では、業界としての特殊性もあり経理担当者の方々は対応に追われているかもしれません。本稿では「収益認識に関する会計基準」(以下、収益認識基準)の導入に伴い、建設業界で今後どのような変化や影響が生じるのかについて論じます。

収益認識基準とは?

これまで我が国では、売上計上に関して「売上高は実現主義の原則に従い、商品などの販売または役務の給付によって実現したものに限る」とだけ規定されており、曖昧なものでした。このため、売上計上は業界ごとの独自ルールに委ねられていたのです。

例えば、建設業界ではこれまで「工事契約に関する会計基準」(以下、工事契約基準)に従って売上計上を行ってきました。工事契約基準によると、工事契約について(1)工事収益総額、(2)工事原価総額、(3)決算日における工事の進捗度を見積もることができるかどうかを判定します。(1)から(3)の全てを見積もることができる場合には工事進行基準を適用し、進捗状況に応じて売上を計上します。そして、それができない場合は工事完成基準を適用して、工事の完成及び引き渡しの時点において全売上を計上していました。しかし、これは建設業界独特のものであり、異業種にも通じる一般的なルールではありませんでした。

このような状況が各業界に存在したため、企業会計基準委員会は収益認識基準を2018年3月に公表し、2021年4月からまずは大企業を対象に強制適用されることになりました。

収益認識基準のポイントですが、企業が契約内容を履行した時点で、顧客が支払う対価の額で売上を計上するというものです。もっとも、収益認識について5つのステップが示されており、具体的には(1)契約の識別、(2)履行義務の識別、(3)取引価格の算定、(4)取引価格の算定、(5)履行義務の充足です。以下ではこれらのステップの中で建設業に関連して問題となるポイントを2点示します。

建設業における会計処理変化のポイント

第一に(1)契約の識別では、契約内容に対する当事者間の合意をもって契約成立とみなすのが民法上の原則とされます。しかし、建設業では特定の時点における合意の成立を一律に規定のが困難な場合も多いです。例えば、建設工事では顧客との間で金額や工期が未定であったとしても工事を開始したり、工事内容の一部が未定でも計画が既に固まっている部分に限って着工する場合も少なくないのです。このようなケースでは、契約内容への明確な合意がなくとも、工事の進捗状況を勘案して実質的に契約が成立したとみなせるタイミングを個別具体的に判断します。

現場の状況に即した判断がこれまで以上に必要です。このため個別のケースについて実質的な判断が求められます。例えば、商業施設の建設工事の中で、追加として本体工事とは異なる顧客からテナント工事を受注した場合、たとえ契約相手が異なったとしても実質的に判断して一体的な工事と判断できれば単一の履行義務として会計処理を行います。逆に、一つの契約であっても解体工事と本体工事が含まれているような場合、実質的に判断して別個の履行義務と評価することもありえます。  

第二に履行義務の充足では、(1)一定期間にわたって充足される履行義務であるか、(2)一時点で充足される履行義務であるのかの判断が重要となります。履行義務を実質的に判断して、(1)に該当する場合は履行義務の進捗状況に従い一定期間にわたって売上を計上します。(2)に該当する場合は履行義務が充足された時点において売上を計上します。

まとめ

以上で述べてきたように収益認識基準導入によって建設業における会計処理は大きく変化します。重要なのは契約内容の実質的な判断に基づいて、履行義務が充足されたかどうかを検討するということであり、経理担当者の方においてはこれまで以上に現場の状況に即した会計処理が求められるようになります。

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