事前チャージ型電子マネーの収益認識と前受金管理のポイント

事前チャージ型電子マネーの収益認識と前受金管理のポイント

会計原則の大きな変化が2021年4月に予定されています。企業の中には新たなルールのもと自社の売上高が減ってしまうのではないかと不安に感じる向きもあるかもしれません。

影響が大きいわりに、実務レベルではまだまだ十分に認知されているとは言い難いのが現実です。このため、経理担当者の中には4月からの導入を見据えて焦る気持ちを持つ場合も少なくないでしょう。

収益認識基準導入の背景

これまで我が国では従来、収益認識について「売上高は、実現主義の原則に従い、商品などの販売または役務の給付によって実現したものに限る」とだけ規定されており、売上計上に関する統一的な規定は存在しませんでした。売上計上に関してほとんどルールがないに等しく、収益認識は各業界の慣行に委ねられているのが現実でした。

このような状況を受けて企業会計基準委員会は2018年3月に「収益認識に関する会計基準」及び「収益認識に関する会計基準の適用指針」(以下、収益認識基準)を公表しました。これらは2021年4月より大企業を中心に強制適用されることになり、本文冒頭で述べたような事態を招いているのです。

収益認識基準の概要

収益認識基準の導入を目前にして、現在急速な拡大を見せている事前チャージ型の電子マネーの会計処理が問題となります。以前は交通系電子マネーとしてSuicaやICOCA、流通系電子マネーとしてnanakoやWAONが代表的なところでしたが、近年ではpaypayやLINEPayをはじめ様々なQRコード決済サービスが台頭しているのは周知のところです。

では、電子マネーに事前チャージした場合、収益認識基準に即した企業側の仕訳はどうなるか考えてみます。例えば、今期に10,000を事前チャージし、次期に10,000円を売り上げたとします。この場合、今期の仕訳は、借方に現金10,000、貸方に契約負債10,000となります。次期の仕訳は、借方に契約負債10,000、貸方に売上高10,000となります。シンプルな仕訳ですが、契約負債という勘定科目が加わっている点には注意を要します。

収益認識に関する5つのステップとは?

収益認識基準に関する重要な論点は売上計上です。原則として売上という事実が発生した時点で売上計上します。事前チャージによって前払いで現金を受け取ったとしても売上を計上できるわけではないのです。売上は顧客が便益を享受した時点で計上します。

では、ここでいう便益の享受について、どのように判断するのでしょうか?収益認識基準では次の5つのステップで考えます。

  • ステップ①:契約内容について商品やサービスを確認します。(契約の識別)
  • ステップ②:契約中でいくつの便益提供がなされるかを分析します。(履行義務の識別)
  • ステップ③:商品やサービスをいくらで販売するのか算定します。(取引価格の算定)
  • ステップ④:上記で分析した便益ごとの価格が各々いくらになるのか決めます。(取引価格の配分)
  • ステップ⑤:価格に対応する便益が提供された時点で売上を計上します。(履行義務の充足による売上計上)。

上記の5つのステップに即して、事前チャージ型の電子マネーの売上計上を考えると、チャージした時点で現金の交付があるとしても、ここでは顧客に対して便益の享受がなされているとは言い難いです。顧客が店頭で電子マネーを使って商品やサービスを受領時点ではじめて便益の提供がなされたと考えるべきです。

まとめ

本稿では、事前チャージ型電子マネーを取り上げて収益認識基準の適用を考えてみました。収益認識基準の適用に際しては、顧客が便益を享受したかどうかがポイントとなり、実際の取引を反映した会計処理が求められます。2021年4月からの導入を見据えて改めて自社の会計処理について見直してみるのは重要です。

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