サブスクリプションビジネスにおける上場企業の会計管理と損益

サブスクリプションビジネスにおける上場企業の会計管理と損益

サブスクリプションビジネスで上場している企業にとって、会計管理の主な目的は適切な期間損益の表示と財政状態(資産と負債)、およびキャッシュフロー計算(資金繰り)です。

設立以降の数年間は、先行投資がかさむため営業赤字になりやすくなります。顧客を順調に獲得し収益基盤を拡大するにつれて、新規顧客の獲得コストおよび既存顧客を満足させるためのサービス改善コストが膨らみます。

損益の黒字あるいは営業キャッシュフローの黒字が見えないと、必要資金を自社でまかなうことができませんので、銀行融資あるいは資本市場からの調達が必要になります。

これら経営の意思決定を迅速にかつ正確に行うためには、適切な会計管理による損益の認識が欠かせません。

前受金と収益の会計管理

前受金の管理

サブスクリプションビジネスモデルは、継続的な取引契約にもとづいて一定の役務(サービス)を顧客へ提供します。

多くの企業ではこの役務提供サービスの料金について月額課金、年間課金などによっており、数ヶ月以上の長期契約では通常料金の割引をすることで新規顧客の誘引や既存客の定着化を高めています。

このような長期契約にもとづいて顧客が代金を支払った場合でも、サービス提供企業が未だその役務の提供を完了していない部分は「前受金」として取り扱います。受け取った代金の全てを収益に計上することはできません。

この前受金管理はサービス提供の役務提供が終了した時点で収益に振替ます。また、年度末において1年間を超える期間の前受金がある場合、その分を「長期債務」に振替えます。

収益の管理

サブスクリプションサービス提供にあたり、顧客が利用するソフトウェアを顧客仕様のため大幅な機能の改善や改修をした場合は、そのシステムを納品し取引先が検品した時に「収益」に計上します。

ここでサブスクリプションサービス契約とソフトウェアの大規模な作業が同時に契約されている場合、収益の計上時期のほかに、収益をサブスクリプション契約分とソフトウェア改修分に配分する必要があります。

これは「収益認識基準」と呼ばれ、上場企業は2021年から強制適用となりますので、関連する契約書の内容、会計処理方針を新制度に合わせる必要があります。

KPI管理

サブスクリプションのKPI管理

サブスクリプションビジネスの上場企業では、 証券取引法や証券取引所のルールに基づいて要求される財務諸表の公表のほか、任意で株主に対して自社で管理している KPI を説明することがあります。

MRR(Monthly Recurring Revenue)やチャーンレート(解約率)などの代表的な KPI指標は、事業基盤を正しく理解するために重要なものとなっています。 

財務諸表分析にもとづくKPI(会計管理)

内部投資収益率(IRR)、投資利益率(ROIやROA。投資額に対して利益をいくら得たか)は一般的に見られる重要な損益管理指標です。

多くのサブスクリプションビジネスでは先行投資の後に、収益を長期にわたって獲得することを目指していることから、初年度から先行投資期間は赤字が出やすいとされています。

ただし、AdobeやMicrosoftのような世界的トッププレイヤーになると、獲得している収益が毎年度の投資を上回るようになります。毎年度の余剰利益をどれくらい株主に配分するのか(配当性向)、または未来へ引き続き投資するのかは、企業の経営ポリシーによります。 

売掛管理

請求書の発行管理について

B2C型のサブスクリプションサービスの多くはクレジットカード会社を経由して代金を回収するため、たとえば月単位の課金であってもその都度の請求書を紙などで用意はせず、多くの顧客にEメールにて通知することが一般的です。

B2Bサブスクリプションサービスでも、電子帳簿保存法に基づいた一定の認証を受けているクラウドサービスを利用している企業では、そのシステムから直接、電子請求書により発行しています。

どちらの場合でも、請求書の管理システムがいつ誰に対していくら請求書を発行したかを適切に管理しています。

取引先別の台帳管理と貸し倒れの可能性検討

売掛金は取引先毎にかつ月別で管理します。明細を確認できる機能があれば取引先毎の明細を確認でき、問い合わせ時に速やかな回答ができるようになり便利です。

多くの請求書は月末締めの翌月末払いになっており、支払期日を経過しても入金がない取引先に対しては営業担当より入金催促をしてもらうよう連絡します。数か月以上入金がない場合には貸し倒れの可能性を検討し「貸倒引当金」コストを認識しなければなりません。

また顧客によっては代金の一部だけを入金してくる場合もあります。このような場合は残りの代金をいつ入金する予定なのか、今後の取引を継続するべきなのかを営業担当と確認する必要があります。

出典

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