サブスクリプションビジネスの利用料は減価償却が不要!仕訳例で解説

利用料を支払うことで一定期間サービスを利用できる、サブスクリプションのビジネスモデルが注目を集めています。CD-ROMなどの購入が不要で初期費用も抑えられることから、ソフトウェアからサブスクリプション形式に切り替えしたという企業も多いのではないでしょうか。

しかし、会計上はソフトウェアを購入した場合と、サブスクリプション形式のサービスを利用した場合では処理が異なりますので、経理担当者を悩ませることもしばしばあります。この記事でサブスクリプションとソフトウェアの違いを押さえたうえで、実務で混乱しないようにしましょう。

サブスクリプションビジネスの利用料は減価償却が不要

サブスクリプションのビジネスモデルは、「製品を所有することよりも、いつでもサービスを利用できること」を消費者が重視するようになったため普及が加速しています。これまでは、利用者がCD-ROMなどのソフトウェアを購入(買い取り)したうえで、サービスを使うことが一般的でしたが、サブスクリプションの形式では、料金を払うことで一定期間利用する権利を得ることができます。

会計上、これまで一般的であったソフトウェアでは、取得価額が10万円以上の場合、原則として固定資産に計上し、減価償却費を発生させる必要があります(仕訳例1-1、1-2)。また、事業で使用しなくなった場合は、除却の会計処理を行います。

仕訳例1-1:350,000円のソフトウェアを購入し、代金は預金口座より支払った。

借方貸方
科目金額科目金額
ソフトウェア350,000預金350,000

仕訳例1-2:仕訳例1-1で購入したソフトウェアの減価償却処理(5年均等償却・直接法)を行う。

借方貸方
科目金額科目金額
減価償却費70,000ソフトウェア70,000

※350,000円÷5年=70,000円

一方、サブスクリプションサービスの経理処理は、月払いの場合、「支払手数料」などの費用科目で経理処理することができます(仕訳例2)。ソフトウェアを購入した処理に比べ、資産として管理することや減価償却の処理が不要になります。

仕訳例2:サブスクリプションサービスの月間利用料50,000円を現金で支払った。

借方貸方
科目金額科目金額
支払手数料50,000現金50,000

※費用の勘定科目は一例です。企業により「消耗品費」や「事務用品費」などで処理されている場合があります。

サービスの提供を受けていない部分は前払費用で処理

サブスクリプションサービスの利用期間と会計期間が一致しない際は、前払費用を計上して費用の期間配分を行う必要があります(仕訳例3-1、3-2)。ただし、後述する短期前払費用の特例を活用すると、一括して支払時の費用とすることもできます。

仕訳例3-1:x1年12月1日、サブスクリプションサービスの年間利用料600,000円を預金口座から支払った。

借方貸方
科目金額科目金額
支払手数料600,000預金600,000

仕訳例3-2:決算にあたり、仕訳例3-1の前払費用を計上する。なお、当期の会計期間はx1年4月1日からx2年3月31日である。

借方貸方
科目金額科目金額
前払費用400,000支払手数料400,000

※600,000円×8か月÷12か月=400,000円(x2年4月~11月分)

「短期前払費用の特例」の活用で一括費用計上も可能

前払費用を計上する必要がある場合でも、「短期前払費用の特例」を活用すると支払時の費用として一括計上できます。ただし、特例を適用するためには、以下のような要件を満たす必要があります。

  • 継続的に役務の提供を受けるために支出した費用である。
  • 支払った日から1年以内に提供を受ける役務にかかるものである。
  • 継続してその支払った日の属する事業年度の損金に算入する。

詳細は、国税庁HPの法人税基本通達2-2-14を確認してください。

まとめ

サブスクリプションサービスの利用料は、ソフトウェアを購入した場合と比較すると、経理処理は簡便に行うことができます。また、短期前払費用の特例を活用することで、有利な経理処理を行うこともできるでしょう。

なお、今回の記事では、あくまで一般的な仕訳例などを示しています。サービスの契約内容により処理方法が異なる場合がありますので、実務では税務署や専門家に相談のうえ経理を行いましょう。

参考

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