前受金と売掛金の相殺を正しく理解して正確な処理ができるようにしよう

前受金と売掛金の相殺を理解して正確な処理をしよう

こんにちは。「クロジカ請求管理」コンサルティングチームの花田です。

長く取引をしている得意先であるほど、契約の数が多く、お金や商品のやり取りも煩雑なものとなりがちです。そして、取引を行う中で売掛金と前受金が計上されることも頻繁となります。できれば会計処理は簡便に行い、正確を期したいものです。売掛金と前受金の相殺は会計処理を容易にする方法として上手に活用したいというのが経理担当者の本音かもしれません。本稿では売掛金と前受金の相殺について取り上げて説明します。

前受金と売掛金の相殺の基礎知識

売掛金とは、いわゆる「ツケ」のことであり、企業が商品を販売した際に、すぐには代金を受領せず一定期間が経過した後に代金を受領する場合をいいます。民法上、企業はいったん金銭債権を取得し、履行期限が到来してはじめて代金支払いを請求し、現金を受領することとなるのです。

前受金とは、売掛金と対照的な勘定科目といえます。どのような点で対照的なのかというと、前受金とは「先払いされた金銭」のことであり、企業が商品を販売するのに先立って商品代金の一部を受領するような場合を言うからです。前受金のことを、一般には手付金や内金を称します。なお、手付金と内金は厳密には意味が異なっています。前者は民法上、契約解除権が留保されているため契約解除の可能性があるのに対して、後者は契約解除権が留保されていないため契約解除の余地がありません。もっとも、手付金であっても内金であっても勘定科目としては前受金を用いて処理され、貸借対照表上の負債に含まれます。

前受金はお金をもらっているにも関わらず負債となる点について、疑問に思われる方もいるかもしれませんが、この理由は代金の先払いを受けるために企業が顧客に対して商品を引き渡す義務を負うためです。義務を負っている以上、負債に該当するということです。

前受金と売掛金の相殺について

上記で確認したように、売掛金は代金を後払いすることであり、前受金は代金を先払いすることです。そうだとすれば、企業が同一の取引先といくつかの売買契約を締結した結果、売掛金と前受金が同時に生じてしまった場合、期末の貸借対照表はどのようになるのでしょうか。

ここで必要になるのが民法上の相殺という概念です。売掛金と前受金は、民法上同一当事者間における金銭債権であり、一方当事者の意思表示によって相殺することで決済できます。相殺を行うための具体的な条件は、(1)同一企業に対する売掛金と買掛金が同時に存在すること、又は(2)同一人物に対する貸付金、借入金、未払い金が同時に存在すること、という2つの場合です。そして、相殺を行った場合、売掛帳には支払時の概要欄に「相殺」と記載することになります。相殺を行うこと自体に問題はなく、むしろ大切なのは相殺したことを、分かりやすく付記しておくことです。

前受金と売掛金の相殺とは?

なお、前受金と売掛金の相殺を行わない場合どのような処理となるでしょうか。この点について、前受金は前受金として、売掛金は売掛金として、帳簿上は両建てにして金銭のやり取りをすることになります。

まとめ

以上で述べてきたように、売掛金は「ツケ」であり後払いのお金で、前受金は「前」に「受」け取ったお金と捉えれば簡潔に理解できるかもしれません。そうだとすれば対照的な勘定科目として把握するべきでしょう。売掛金と前受金について、勘定科目や仕訳そのものは複雑ではないと思いますが、両者の相殺となると注意深く処理を行うべきところです。

正確な処理を行うためにも債権の流れや具体的な契約の内容まで把握する必要があります。会計上の知識はもちろん、例えば相殺といった民法上の概念も幅広く知っておかなければなりません。

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