新収益認識基準に備えた収益の計上処理と前受金の管理方法とは?

開発支援サービスのSaaS企業のように、顧客の依頼により開発支援サービス提供し、サブスクリプションサービスも展開する企業では、開発サービスの進捗管理やその完了時期、契約に基づく継続的な役務提供など収益の認識時点が混在し、顧客から頂く代金に前受部分がある場合は収益との区分管理が複雑になります。

ここではある開発支援サービス企業へのインタビューを元に、経理業務の悩みについて、その背景と改善方法を検討します。

現在の業務環境と経理処理の悩み

今回取材をさせていただいた企業では、開発支援サービス、受託開発、システムエンジニアリングサービス、そしてサブスクリプションサービスを提供しています。このうち開発業務サービスについて売上管理ができるようにバックオフィス体制を整備してきましたが、サブスクリプションサービスなど顧客から代金を前受でいただいた場合の売上と前受金を適切に管理する環境が整っていません。年額請求と月額請求が混在しているため請求書の発行管理にも相当の手間が生じています。

前受金の管理が懸案事項

現状では財務会計システムと請求関連システムが連携していないため、前受金の管理を財務会計システムにて対応せざるを得ない環境になっていること、財務会計システムで売上の内訳をサービス別に分けることができず、原価管理ならびにサービス毎の収支を確認することが難しくなっています。

また、2021年4月より「新収益認識基準」に基づいて収益を認識することが目前に迫り、その会計要件にあった契約書の見直しが必要になることも想定されています。

「新収益認識基準」に応じた売上認識の概要と前受金

これからの収益の認識は「履行義務」がいつ充足するのか、が重要な判断基準になります。開発サービスでは開発を終えて顧客が検収した時点で履行義務が充足するのであれば、従来の「工事完成基準」が適用され、契約期間中に合理的な基準に基づいて充足されていくのであれば従来の「工事進行基準」の適用が可能となります。サブスクリプション契約では、役務の提供が完了する時点(一般的には月単位の課金)をもって履行義務の充足となり収益を認識します。

顧客から年間契約分の入金がある場合は、履行義務が充足していない部分を前受金とします。

売上をいつ計上するべきかの「認識基準」を整備して計上処理を改善しよう

売上をいつ計上するべきかの「認識基準」がしっかり整備できることで、顧客から頂いた代金を期間収益と前受金へ的確に区分することが可能になりますので、まずは売上を適正に管理するための契約条項の見直しとそのための原価管理の仕組みを再検討することが望まれます。

開発サービスの各プロセスを契約で目的・単位により小さく設定することで、契約履行の条件とその対価について明確にします。これにより要件定義、設計、開発および開発テストの工数やコストを契約で細分化した標準的な工数を設定できるようになり、原価管理を高度に推進することが可能となります。標準原価と実際原価との予実管理にも役立つようになるでしょう。

サービス別に売上を区分管理する

サービス別に売上を区分管理するにあたり、開発サービス契約の細目毎に請求システム・会計システムと共有できる管理番号を設定して、その進捗度を個別に見積もるようにします。

サブスクリプションサービスでは、サービスの提供目的と対価の収受期間を契約書で明確にし、顧客毎の契約条件をシステムで登録管理することによって、契約期間に応じた売上計上と前受金の区分を誤りなく対応できるようになるでしょう。

収益管理と前受管理を一元化し経理業務を効率化

もし既存の会計システムや請求管理システムがこのような複雑な仕組みに十分に対応することができない、新会計制度の要求を満たすことが難しいと予想される場合には、会計システムで管理することに無理がありますので、これらの経理要件に柔軟に対応できる新しい請求書管理システムを早期に導入することを検討すべきです。

最近の請求書管理システムは機能向上と拡張が容易で、顧客の要望に応じた仕組みへ柔軟に対応することが可能ですので、契約ごとの進捗管理データ、サブスクリプション契約管理データ、および銀行システムをAPIなどで連携させることで、収益管理と前受管理を一元化し経理業務の効率化を図ることが可能になると期待できます。

参考資料

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