「実現主義による収益認識」から「新収益認識基準」に変更するには?

「実現主義による収益認識」から「新収益認識基準」に変更するには?

こんにちは。「クロジカ請求管理」コンサルティングチームの花田です。

今回、お話をお聞きしたのはセキュリティコンサルティング企業です。こちらの企業ではセキュリティコンサルティングサービスやセキュリティツールを提供しており、役務完了時に収益認識を行って売上計上へ変更をしたいという意向があります。

このような基準で収益認識を行い、より適切な売上管理をする方法にはどんなものがあるのでしょうか。この記事では、収益認識の基準を振り返りつつ、その基準で売上計上を実現する方法を検討します。

適切な収益認識をして売上を計上したい

こちらの企業では現在、売上があった場合には当月にすべて1ヶ月で計上しています。しかし、この「実現主義の収益認識」から変更して役務の完了毎に計上を行い、より適切な売上管理をすることが大きな課題とのことでした。

現在の業務

現在、主な商材であるコンサルティングサービスは、ほぼ個別見積りです。毎月100〜200枚程度の請求書が発行されています。

一括でまとめて入金される場合と分割して入金される場合とがありますが、前述の通り、現在は入金があったらその月に売上に一括計上しています。しかしこの処理では、売上管理が適切ではない可能性があります。また、こちらの企業ではエクセルデータで一覧化している情報がうまく管理、活用できていない点も課題となっています。

収益認識基準の変遷

従来、会計処理上の収益認識は(1)実現主義(財貨の移転または役務提供の完了)(2)対価の受領(現金等価物の取得)を前提としていました。しかしこの要件や定義が曖昧であるため、企業側のとらえ方により、会計上の売上処理に幅があるという問題がありました。

そこで、企業会計基準委員会により2018年3月30日に会計基準とその適用指針が公表され、収益基準には新たなルールが明確化されています。

新たな基準では、収益認識は顧客に支配が移転された(商品やサービスを自由に利用できる状態になった)時点で、収益を認識し、売上を計上することになりました。また、その適用されるサービスに、今回の企業のようなサブスクリプションビジネスも内容により対象となります。

これらの詳細な基準は以下に定められています。

  • 企業会計基準第29号『収益認識に関する会計基準』
  • 企業会計基準適用指針第30号『収益認識に関する会計基準の適用指針』

これは国際的な会計基準であるIFRS第15号をベースにした収益認識基準です。この基準は適用対象企業において、現在は任意適用の範囲で行われ、2021年からは適用が義務化される予定です。自社がこの基準の採用を検討する場合には詳細の確認が必要でしょう。

エクセル管理には限界がある

会計処理では、入金が先にあれば前受金(契約負債)へ、なければ売掛金(契約資産)の科目として把握をします。これらの科目から収益認識をした時点で売上へと会計処理をするには、新たな収益基準の判断に必要な情報を管理しなければなりません。契約の内容や役務の提供状況、一括入金か分割入金か等の情報です。その情報は多く、経理担当者がその把握をするのは煩雑です。さらに取引先数が増えれば管理ミスの可能性があります。これらをすべてエクセルで管理しつつ売上計上の処理をするのは、限界があると言えるでしょう。

新しい収益認識に対応する場合の管理が大変

役務の完了を把握するシステムを活用

今回インタビューの中では「役務完了時の収益認識」をする方法への変更について経理担当者が検討していました。既存のエクセル管理に頼らず、システム化でいかにこの収益認識に合わせた処理が実現できるか、改めて考えてみましょう。

案件ごとの役務完了の情報をリアルタイムでシステム連携させ、収益認識基準に対応

営業担当など、現場の案件管理の情報を売上管理のシステムに自動連携させることができれば、営業担当へのサービス提供状況の確認作業など、現場と経理担当者のお互いの負担を減らすことが可能です。また、売上計上ミス防止となり、売上管理の適性化につながります。

案件管理、請求発行、入金消込を一括管理できるシステムを利用する

大きなシステム改変が可能であれば、案件管理・請求発行・入金消込等を一括で管理できるシステムの導入を検討するのも選択肢のひとつです。役務提供の進捗が見えにくかった点を解決し、完了時に収益認識と売上計上を可能にします。

売上データを分割して計上できるシステムを利用して、役務終了ごとに分割計上し新しい収益認識基準に対応する

事前に、売上(役務完了)のタイミングに合わせて売上データを分割登録できる機能があるシステムを利用すれば、自動的に売上処理を実行でします。売上計上の漏れが軽減され、適切に売上数値を把握できるでしょう。

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