煩雑な前受金を適切なシステムで効率的に管理する方法

学習塾のように役務の提供期間が複数月にわたり、かつ顧客からその期間の全部または相当部分の代金が前払いされる事業では、適切な期間売上高の把握と前受金の残高管理が非常に重要です。会計上の売上高が正しく計上されないと税金面で必要以上に納税しなければならなくなる場合があります。

ここではある学習塾を経営している企業の売上計上業務のお悩みから、その改善方法をシステム面から検討します。

経過期間に応じた売上高が不明で経営判断に活用できない

こちらの企業では現在の売上計上業務の中で、特に月次決算や四半期決算での損益計算書で一時的な多額の売上高、あるいは売上高がマイナスとして表示されることがあり、経過期間に応じた売上高がいくらなのかが分からず、経営判断に有用な情報を提供できていない悩みがありました。 

これは、顧客から入金された金額のうち前受金として管理すべき分もすべて一括して売上に計上していること、キャンセルが発生した場合は返金分を売上高のマイナスと処理していることが要因です。いわゆる「現金主義」に基づく売上高の計上です。

将来の資金調達を見越して正しい損益計算書と貸借対照表を作成できる体制を望んでいるのですが、現状では顧客管理システムから前受金情報を取得して、別途エクセルファイルで当月の売上高を計算、その結果を会計システムに登録しなければならず相当の手間がかかっています。

また、法人税及び消費税でも、入金時に売上を一括で計上していることからその全額に対して課税されており、前受金として適切に処理していれば来年度に納付するべき税金を、当期に納税している状況でした。

現在の売上計上の背景と業務の流れ

それでは、こちらの企業の現在の売上計上業務の流れを確認してみましょう。

  • 顧客は数百名で、それぞれの顧客が3ヶ月、半年間、1年間に渡る学習コースを選択しています。
  • 顧客はどのコースでも代金を前払いしますが、1年間コースの場合は先に半年間分の代金を前払いし、その入金額の全額を売上に計上しています。
  • 顧客は合宿費用や教材費用等も代金を前払いし、その入金額の全額を売上に計上しています。
  • 学習コース期間中のキャンセル発生時には学習コースの未経過分を返金し、その返金額は売上の減額として処理しています。

会計業務は会計管理システムを利用し、請求業務は別途、顧客管理システムを利用しています。両システムは連携していません。

膨大な顧客データをエクセルファイルで管理し続けることは非効率ですので、現在の顧客管理システムに経理処理用の顧客サマリーデータ(当月の売上をいくら計上し、前受金の残高がいくらなのかが分かる合計データ)を出力する機能を追加改修する方法も考えられます。

ですが、会計制度の要求を満たすための要件定義の作成コスト、改修費用が多額になる可能性、システムメンテナンスの手間が増大する、システム同士のデータが常に一致していることを別途確認しなければならない等の課題が残りますので、抜本的な対策を講じる必要があります。

設定した内容で前受金から売上に計上できるシステムを利用しよう

学習塾の本来あるべき会計処理は、授業料収入、合宿収入は受講期間に対応して売上高を計上し、教材収入は教材提供時に売上高として計上します。それぞれの受講コースの契約、教材、合宿の時期などあらかじめ設定した内容で、前受金から売上へ計上できるシステムを利用することで、正しい損益計算書と貸借対照表をスピーディーに作成することができます。

最近のシステムは、請求データの作成と履歴、前受金残高の管理、期間に応じた売上計上処理を一体として対応できる機能を持っているものもあり、網羅性・正確性が担保されていますので、その導入を検討することが望まれます。

また、API(Application Programming Interface)で会計システムや銀行システムと接続できる機能を持っているものもあるため、経理部門の作業効率化も期待できます。

出典

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