前受金残高の管理とIT統制

前受金の管理は、その後の売上計上・経営数値への整合性に影響します。また、システムとして統制の取れた環境下での業務プロセスかどうかは、企業規模に関わらず、システム化が進む昨今では意識されることでしょう。

今回、クラウド型防犯カメラサービスの企業へインタビューし、経理担当者のお悩みをお聞きしました。こちらの企業では、前受金に当たる入金が発生した場合の管理や売上への振替処理などがとても手間で、管理が行き届かないケースがあるとのことでした。

この中で特に印象的だったキーワードが「IT統制」と「前受金管理」です。この記事では、この「IT統制」を意識した前受金管理のシステム化について説明します。

見えない前受金残高

今回、インタビューをさせていただいたクラウド型防犯カメラサービスの企業では、基本的に月額ベースで利用料を請求しています。しかし初期費用の有無やキャンペーン価格など、一部ではイレギュラーな形態となっています。

その中で、前受金に当たる入金が発生してもそれを管理しきれず、前受金残高が現行のシステムで追い切れない点が大きな課題となっていました。

現在の前受金管理業務

こちらの企業では、現在、請求書発行と入金消込機能があるシステムを利用し毎月千数百枚もの請求書を発行しています。ですがこのシステム内には前受金を管理する機能はなく、また、その後工程の会計処理で利用する財務会計システムでも前受金の管理がしきれていない状況でした。

これでは、経理として適正な債権債務の情報を把握しきれてはいないことになります。

前受金管理の重要性

前受金は、提供完了前の役務分の金額が顧客から入金があった場合に発生します。一度、前受金として計上し、その後、役務の提供完了後のタイミングに合わせて計上処理を行います。

前受金の管理ができていないということは、入金されたものが全額、すぐに売上計上されている可能性があります。また、前受金が入金されているかが追い切れていない場合、顧客がすでに入金済みの売上について、再度請求してしまうなど、トラブルの可能性もあり、適切に管理していく必要があります。

適切な売上管理、請求管理は経営面の信頼性を示すものとして、重要なポイントです。

適切な財務報告とIT統制

そもそも、「IT統制」とは何でしょうか?「IT統制」とは「内部統制」のひとつの要素です。

内部統制は、業務の有効性及び効率性・財務報告の信頼性・事業活動に関わる法令などの遵守、並びに資産の保全の4つの目的が達成されているという、合理的な保証を得る流れが業務に組み込まれ、組織内の全ての者によって遂行されるプロセスをいいます。

その内容を検証する視点として、「組織統制」「業務処理統制」「IT統制」の3つがあるのです。

内部統制の整備は、いわゆる内部統制報告制度「J-SOX法(日本版のSOX法)」において法的に定められています。対象は、有価証券報告書の提出義務を負う会社、つまり上場会社ですが、その子会社・関連会社・在外子会社・外部委託先なども制度の対象となっています。

ですが、企業の信頼性・透明性が重要視される昨今では、法的に対象企業か否かに関わらず、内部統制は大切な指標の1つです。

そして、この内部統制の信頼性を担保するためにも、IT統制を充実させることが大きなポイントになります。現在、企業のあらゆる業務でITが多く活用されています。

内部統制としてはプロセスが明確であれば手作業でも問題ありませんが、効率的に、そして正確に処理するためにIT活用は欠かせません。そのITに問題があれば内部統制の信頼性を保証できなくなるため、IT統制を実施することは必要不可欠です。

特に、今回の前受金管理のケースでは、財務報告の信頼性に関して特に影響があると言えるでしょう。

前受金残高が確認できるシステムを利用する

役務の提供完了のタイミング毎に前受金から売上に計上できるシステムを利用することで、前受金を適切に処理できます。

適切なタイミングで前受金を計上することで、前受金残高も明確となり、IT統制に準拠した管理ができます。

IT統制に対応したシステムの利用

IT統制に対応したシステムは、その業務内容や利用する企業や組織をITによってモニタリング・コントロールをし、業務の健全性を保証する仕組みがある必要があります。また、そのシステムが十分に活用されるか監視しつつ、稼働させていくことができる機能や使いやすさもポイントになります。システムを導入して整備をしても、適切に運用されていなければ統制できているとは言えないのです。

このIT統制に対応したシステムの機能として、以下のような例があります。

  • 二重入力のチェックができる機能
  • 定型業務のモレのチェック機能
  • 顧客ごとの残高の合計値算出や一覧化
  • 他システムやエビデンスとの照合データ出力や連携が容易
  • 操作ログ機能やメモ機能がある
  • 継続的に運用しやすい、複雑すぎない仕様

今回のケースと同様のお悩みを持つようであれば、上記を参考に「IT統制」という視点を含めて業務改善やシステム導入を検討してみてはいかがでしょうか。

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